まきまきちゃんさんの感想、レビュー
まきまきちゃん
同じ映画を通して浮かび上がる6人各々の人生や感情、そして日常に起こる小さな奇跡の描写…まさに著者ならではの作品。 銀座のミニシアター独特の雰囲気も伝わり、著者の映画愛もひしと感じる。 映画館でニューシネマパラダイスを観たかつての青春が甦った。
小野寺 史宜
うわぁ〰…あまりのショックで思わず声が漏れた。苦笑 今のところ衝撃度数でいえば今年No.1ミステリ。自分に置き換えたら身震い止まらず。 後半あらゆる角度からの連打パンチでノックアウト寸前。畳み掛けが凄い! 倫理的に100%納得できる結末ではないにしろ満足の読了感。
山口 未桜
著者の食べ物系の小説は大好物だが、この作品も言うに及ばず。 定食屋「雑」を舞台とした心温もる物語。 元夫のくだりは多少苛つくも、性格や年齢も全く違う女2人の距離が徐々に縮まり、特別な関係へと変化していく描写が実に心地よい。 唐揚げのあげ方は真似したい。
原田 ひ香
清々しさ残る読了感。ミステリ要素は少なくも大いに感情揺さぶられた。 絶望と挫折から頂点を目指すべく這い上がった沙良の圧倒的な精神力、奮闘劇は読み応え抜群だが、犬養刑事 vs 御子柴弁護士のくだりもかなりの見所。 パラスポーツの厳しい現実等も勉強になった。
中山 七里
原作のマンガVer.で読みやすい。(原作は未読) 財○省の数ある問題点がズバッと解説されており個人的にはかなり共感。勉強になった。 情報をまるっと鵜呑みにせず、今後も色んな考え方に触れて視野を広げていきたい。
森永 卓郎
あー楽しかった! 今回はどんな仕掛け?と勘繰りながら読み進めるも結局最後まで分からず。(笑) 各話ショートショートの作品としても面白く、電車で読みながら吹く寸前だった話も。(危険危険…笑) 毎度発想とユーモアセンス抜群で降参。逆転シリーズ今のところハズレ無し。
藤崎 翔
文句無しに面白かった。 山奥に潜む覆面作家が住む洋館…という設定だけでワクワクする。終始作者自身が楽しんで描いているのがビシビシ伝わってきた作品だった。 度々のどんでん返し他色々な驚きも隠されている。クローズドサークルものが好きな方にお勧め。
下村敦史
読ませるわ、揺さぶるわ、痺れるわ…完全にやられた!私的には今まで読んだ青春小説でNo.1。間違いなく今月(今年?)イチ。 コーシローと共に駆け抜けた昭和、平成、令和と物語の時代が代わる度当時に心がタイムスリップして懐かしさも込み上げた。最終章も大満足。
伊吹有喜
伊吹 有喜
世の中に蔓延る悪徳商法にあえてひっかかってみたらどうなるか?体当たりで取材、対決までしてしまうぶっ飛んだ内容。男性向けだが小説を読む合間の箸休めにサクッと読めて面白かった。熱○の傍若無人タクシー恐ろしや~。
裏モノJAPAN編集部編
美味しくてハートフル、前向きな気分になれる作品。読了後はすっかりおでんの口に。笑 これからまさにおでんが無性に食べたくなる季節。肉いなり、カニ面、東京揚げ…様々なおでん種をつまみながら、焼酎の出汁割で一杯やりたいなぁ。続編あれば是非追いかけたい。
山本 幸久
なんじゃこりゃ〰。完全に好き嫌いが分かれるだろうが、私は嫌いじゃない(笑)。後半なかなかの衝撃度。タイトル部分は何とか当てることができた。さすがメフィスト賞受賞作。 実は著者の内に秘めた願望から生まれた小説なのでは?と心中疑っている(苦笑)。
早坂 吝
古本食堂の続編。読めば神保町を散策したくなる大好きなシリーズ。 新装開店で店舗形態に変化…と思ったら、珊瑚と美喜希2人の人生にも転機が訪れ全く目が離せない展開に…!鷹島古書店、これからどうなる? 日本で一番古いお弁当屋と豊前うどんは要チェックだ
「リカ」シリーズ第9弾。 1作目から20年以上経ち(ビックリ!)遂に完結編とのこと。私も数年間シリーズを追いかけてきた為、かのモンスターの末路をしかと見届けんとの思いで頁を捲るが、今回も期待を裏切らぬ血祭り劇場…。 タイトルから推測するに、あのラストは…?
五十嵐貴久
悪夢シリーズ8作目。 シリーズ勢いそのままに…お決まりの怪しげな登場人物達に苦笑いしつつも、二転三転するスピーディーな展開に今回も釘付け。 ただ個人的には今までの作品と比較するとどんでん返し的な衝撃は若干弱めの印象。 思いの外心温まるラストで良かった。
木下半太
コロナ禍に纏わる6編の短編集。 パンデミックに振り回された当時の異様な空気、人々の混乱ぶりを思い出しながら読了。 イヤミス他バラエティーに富んだストーリーの数々で楽しめた。特に「特別縁故者」が印象的。 直木賞受賞作とのことだが、個人的には「スモールワールズ」の方が好み。
一穂ミチ
面白かった。スカッと気分爽快、元気が漲るエッセイ。 老眼が進んできた私には有難い文字の大きさでニンマリ。 辛口だがユーモア溢れており著者のお人柄がよく分かる。 歯に衣着せぬ物言いが実に爽快で、イタズラ電話やソバプンの話はおおいに笑った。
佐藤 愛子
ほっこり食べ物小説では終わらない想定外の展開と驚きの結末に戸惑いを隠せず、若干ほろ苦い読了感。皆ハッピーになってほしい。 ただ著者の料理描写には裏切られなかった。メニューはどれも美味しそうで、レシピにそそられ仕事帰りに辛ラーメンを購入した程。笑
原田ひ香
わ~やられたーっ!…という程の衝撃ではないにせよ… そして私も騙されました。(笑) 著者作品はこれで3冊めだが、テンポよくスルスルッと読めるのがいい。 ソフト闇金の実態ついて知れたことは収穫。人が借金の闇に落ち追い込まれていく流れが分かりやすい。
志駕 晃
野菜と関わる女性達が主人公の8話の短編集。シャキシャキ新鮮で瑞々しさを感じる読後感。 「本部長の馬鈴薯」「レモンの嫁入り」も印象的だが、特に小豆島を舞台にした「オリーブの木の下で」は胸が熱くなるストーリーで大好き。野菜に関する豆知識も興味深かった。
瀧羽麻子
予測不能なサスペンスミステリー。 正直著者の作品でめちゃめちゃお勧めとは言い難いが、ストーリー設定やパロディは所々著者らしさが出てて面白かった。著者作品では断トツ「比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども」「殺意の対談」「こんにちは刑事ちゃん」が好き。
シリーズ第二弾。 成瀬あかり…惹き付ける引力の強さ半端なし。今作も新たな成瀬あかり史が更新され賑わいを見せる。自身の心の赴くまま、1ミリもブレることなく猪突猛進する姿が微笑ましく元気を貰った。限られた人生をもっと楽しめと言われている気がする。
宮島 未奈
コロナ禍の渦中、理不尽な状況下でもがきながらも逞しくなっていく飲食業界従業員達の奮闘が実にリアルに描かれた一冊。当時の窮状ぶりがよく分かる。 人とのふれあいも大事だが時代の流れに合わせた変化の必要性も感じる。 マルコ社長好きだなぁ。
長月 天音
素敵な物語。自己啓発小説だが非常に読みやすく、文章が胸底にストンと落ちてくる。 生きる上で大切なこと、いかにモチベーションをあげて生きていくかのヒントが詰まっている。 読了後、いかに「自分は生まれながらに恵まれている」ことに気付かされたらこっちのもの。笑
喜多川 泰
予想越えの面白さ。所々注釈もあり、歴史が苦手な私でも大いに楽しめた。 名だたる英傑達の視点から見た今の政治や現代人の描写が非常に的を得ておりメッセージ性も高い。 「このきらびやかな世界の裏側は腐敗しきっておる。」…さもありなん。
眞邊明人
肩の力を抜いて気楽に楽しめるファンタジー。想像以上に和んだし面白かった。軽めでサクサク読めるし、ほのぼのとした世界観が心地よい。動物ものが好きな方にはお勧め。喋る豆柴飼いたいな~(笑)。続編出てるみたいなので読みます。
三萩せんや
ずっと気になっていたホラー。 60頁程の短い作品だが所々仕掛けもあってしっかり怖がらせてくれる。ラストが斬新で構成に感心。当初印刷ミスかと思っていたら意味があったのか…怖。 裏表紙の仕掛けは怖くてまだ試しておりません。苦笑 暑い日に読めて良かった。
背筋
著者の作品は2冊め。 江戸川乱歩の不朽の名作短編が現代風にアレンジされた短編集。元作品を読んでいるとより楽しめるかも。乱歩の世界観とは一味違い、令和を感じる設定や作風でこれはこれで面白かった。 特に『令和 人間椅子』と『令和 一人二役』がお気に入り。
瀬戸内海の島を舞台とした切なくも温かい3話の短編で、各話繋がりがある絶妙な構成。 美しい海、3人のジイの優しさと生き様に心洗われ満たされた。各ジイが語る言葉が深く胸に沁み入ってくる。タイトルの「ジイ」の響きが温もりがあっていい。特に最終話「波光」は胸熱。
藤岡 陽子
海シリーズ一転、山シリーズに突入も、今作もまんまと惹き込まれた。 右も左も分からぬ山での新生活に戸惑いながらも周囲の力を借りつつ力強く前に進んでいく文哉にエールを送りながら読了。 自分の理想の生き方に迷わず突き進む姿が眩し過ぎて好感しかなし。
はらだ みずき
喫茶ドードーシリーズ第二弾。 前作より遥かにグレードUPしている気がした。 読み進める度ゆったりと穏やかな空気が流れ、肩肘張らずにそのままの自分で生きていこうと思える。そろりさんが語る言葉達が胸に刺さりパワーをくれる。来週も頑張ろう。
標野 凪
噛めば噛むほど味わい深くすこぶる素敵な本だった!著者のランチ酒シリーズと同じくらい好きかもしれない。 紹介されている本は勿論、読んでいるだけで涎が垂れてくる神保町グルメの数々があまりにも魅力的過ぎたので(笑)、早速来月神保町巡りを予定した。(笑) 続編読まなきゃ!
毒島シリーズ第四弾(⚠1~3未読・笑)。 漢方薬や有毒植物等薬学知識が豊富に盛り込まれていてとても勉強になるが、中でもサプリメントの件はいまや社会問題になっている為特に興味深かった。 恋の行方も気になるので続編読みます🎶
塔山 郁
読了後は爽快。 途上説明部分にくどい印象を受けたが、思いの外ストーリーは壮大で最後まで楽しめた。あまり深く考えずに読むのがお勧め。 「医師ガシェの肖像」が辿った数奇な運命や欧米オークションの歴史、美術界に巣食う闇等自分的に興味深い内容多々。ラストも◎。
望月 諒子
どうにか空想の海を泳ぎきり帰還(読了)。 11話の短編集だが、ジャンルは様々。印象的だったのは「髪を編む」「贈り物」「緑の子どもたち」。 苦手な味もあったものの色々な料理を少しずつ味わった後のような贅沢感。 「本は圧縮された小宇宙なのさ。」の言葉に膝を打つ。
深緑 野分
シリーズ第2弾だが、YouTuberやら動物虐待等内容てんこ盛りで安定の面白さ。 魅力的なキャラは勿論、合法スレスレの方法で悪人を完膚なきまでに叩きのめす様はまさに痛快!最終話はちょっとイヤミス。エリスやメープルの謎がまだ残るため、早くも続編が楽しみだわ🎶
三日市 零/慧子
心底アホらしくなるドタバタ劇だが、相変わらずクセ最強の登場人物やぶっ飛んだ展開は今回も期待を裏切らず、最後まで楽しめた。 途上手に汗握る場面が続くものの、所々笑いの要素がぶちこまれており、終始ニヤニヤが止まらず。悪夢シリーズでは上位にくるかも。
作者の青春時代の実体験より、女子達との濃~いエピソードが選りすぐられたエッセイ。ドラマ化された事で気になっていたが、大変面白かった。 登場する女子のキャラが皆個性的で最高! ブリーフ&トランクスの「青のり」という曲を思い出した。笑
爪 切男
努力嫌いな人間なので(笑)そこそこ共感。ただ著者独自の論理には一部ぶっ飛んだ内容があり納得できぬ点も。 目的意識と効果的な方法を踏まえた努力は有効。頑張らないほうが長生きできるというのは納得。
中野信子
秩父が舞台のミステリ。 色々釈然としない部分が残り消化不良だが、犯行動機は衝撃的。なかなか面白かった。 田舎町のとあるスナックの群像劇かと思いきや…後半の御巣鷹山のくだりからラストへの盛り上りは一気読み。 ショージの1品料理や方言等所々秩父の魅力も感じた。
樋口有介
歴史ある超高級ホテルを舞台にした群像劇。途中感じた違和感からまさかの真実へ…。著者の企みにまんまとハマり、再読必須の一冊。当初の予想を裏切るあっさり系で多少物足りなさを感じるも、ラストは綺麗な着地。最後までまずまず楽しめた。読後感よき◎
下村 敦史
清々しい読了感。 潔癖男子と汚部屋女子の再生と成長の物語。 表紙の軽やかな雰囲気とは裏腹、なかなか重い内容。ゴミ収集業界についても勉強になったし、ゴミ屋敷住人の気持ちも少し理解できた気がする。 「人は1人ずつそれぞれのうちに侵しがたい「国」をもっている」
朝倉宏景
読了後は相当気が沈むが、国の現状を見るにつけ納得いく部分も多い。 日々周囲に流されお花畑側で生きる日常だが、危機感を抱き一歩引いて視点を変えた物の見方や考え方の必要性に少なからず気付かされた一冊。
内海聡
女将1人できりもりする下町居酒屋が舞台。この手の小説は過去何冊か読んだが、設定が面白い。料理は冷凍、レンチン料理が主だがどれも皆美味しそうで、有り難くも巻末の時短レシピ集に掲載されており、早速作ってみたい。 貝って冷凍すると旨味が4倍になる→初耳!
山口 恵以子
面白かった!毎度の事ながら著者の筆致は非常に好み。 朝の満員電車が舞台となる連作短編だが、有川浩さんの阪急電車を彷彿とさせる。偶然にも同じ車両に乗り合わせた見知らぬ男女の行動が錯綜し次々と小さな奇跡が起こる。人生は奇跡の連続…そう思わずにはいられない。
2024年本屋大賞受賞作で滋賀県大津市が舞台の連作短編。 個性強めちゃん主人公・成瀬あかりの我が道を突き進む生き方は憧れるし、考え方も超人的で実に爽快。 登場人物も大津市界隈もとても魅力的に描かれていて実際に行ってみたくなる。こんな青春いいな。
ご長寿猫みけちゃんのフォトエッセイ。5月末に虹の橋をお渡りになったようですが、人間の年齢なら116歳の奇跡の猫。 見ているだけで幸せな気分になる写真の数々と、みけちゃん他姉弟猫達を甲斐甲斐しくお世話する著者・かあちゃんの奮闘ぶりが実に微笑ましい。
村上しいこ
「こう見えて元タカラジェンヌです」の続編。宝塚退団後の著者の日常。 議事録作ったはずが脚本になった?…(笑) ヅカでの人脈や経験が今の仕事に生かせているようで何より。結婚に至る箇所も含め今回も笑かしてくれました。
天真みちる
『線は、僕を描く』の続編。 抽象的な表現が多い為、文章をじっくり吟味し時間をかけて読了。 無の状態から次第に水墨画の命が吹き込まれていく熱のこもった圧巻描写は緊張感漂い、頁捲る手に思わず力が入った。特にラストの揮毫会のシーンが圧倒的。青山君の成長も見物。
砥上 裕將
お嬢様高校が舞台の学園ホラー。 憎悪や未練が生み出した怪異にヒヤッとするが、幽霊より人間のが断然怖い。各話読者に想像を任せる終わり方がよき。プロローグとエピローグは共に謎に包まれたままで不穏さが残るが、続編があるとみてよいのかな?第3話が一番怖かった。
近藤 史恵
著者流「バカをこじらせない」方法については共感したし、「フィードバックがないと、人はバカになる」には納得。ただ全体としては思ったほど自分には響かなかった。 覆面算が面白かったので、他の計算式にも挑戦して考える力をつけたい。
竹内薫
刑務官と受刑者達の人間模様を描く5話連作短篇。 先日シリーズ第2弾『看守の信念』を先に読んでしまったが、順番としてはやはりこちらから読むのがベスト。 警察と刑務所の関係性や刑務所内部の実態にも触れられており大変興味深い。 特に『ガラ受け』の話がお気に入り。
城山真一
第37回横溝ミステリ大賞優秀賞受賞作。救いようのない話だが面白かった。 悲劇の中にもラストの大乱闘等喜劇的要素交じえた最悪の夏物語。 生活保護受給者を生み出している遠因は何か?狂っているのはそもそもこの国の体制ではないのか?と憤りと胸糞悪さを抱えたまま呆然。
染井 為人
日航123便の墜落が日本経済の凋落にどう関わるのか…著者なりの持論を展開しておりかなり衝撃的な内容。あの墜落事故から急激に変化した対米関係の下りは実に興味深い。 文中にある青山透子さんの著書は2年前読了し驚愕したこと記憶に新しい。
青柳ワールド爆発の昔話ミステリー第2弾。 前作よりもミステリー要素が濃く、さらに面白さがパワーアップ。 馴染みのある昔話をベースに素っ頓狂な展開、ブラックなオチ…馬鹿馬鹿しさも相俟って期待を上回る内容で満足🎶
青柳 碧人
眩しさと優しさが溢れる男女5人の青春物語。 チェアリング…初めて知ったが、お手軽感あり素晴らしい趣味だなぁ。 キラキラ輝いてる彼等を見ていたら、人生後半戦に入った自分も「生きてるうちにまだまだ人生の脚本変えてやろうじゃん!」 と前向きな気分になれた。
森沢明夫
シリーズ第2弾。コロナ禍真っ只中のカフェ·ルーズを中心とした日常。 前作同様異国の目新しき料理を楽しめる一方、ジェンダーギャップ等社会問題にもメスが入れられている。 「失うこと、停滞することを恐れないこと、それも強さなのだ」の言葉が木霊する。
面白かった! 看守シリーズ第二弾だが、第一弾を読まずに読了。苦笑 舞台は加賀刑務所。刑務官と受刑者の人間模様を描く驚愕と感涙を誘う物語。 全話共救いのあるラストで心温まる。特に『がて』の話は心底感動。 表題の「看守の信念」をひしひしと感じる結末だった。
城山 真一
日本版ヘレン・ケラー。壮大なストーリーに感動。グイグイ惹き込む容赦ない筆致力に脱帽。 道を切り開くのは信じる力と情熱に他ならない。 れんと向き合う安のひたむきさと熱意に胸打たれる。 教育の大切さ、言葉のもつ奇跡を感じずにはいられない。
原田マハ
想像していた話とかなりかけ離れていたものの、面白くて読後感も良かった。 知らず知らずのうちに、半盲の老女との出会いで変わっていく一人のピュアな青年に心を重ね涙。特攻隊の史実や高齢者へのボランティアに触れ、今後の国のあり方や高齢者への対応について熟考。
深水 黎一郎
芳香をテーマとした繊細かつ静謐な空気を持つストーリーで、ページを捲る度様々な香りが漂ってきた。小川洋子さんの世界観に少し似てるなぁと思ったら、文庫本の解説は小川洋子さんらしいので機会あれば読んでみます。 ラストノートで朔が発した言葉が美しくて印象的。
千早 茜
「旅猫リポート」の記憶が鮮明に蘇る、旅猫リポート外伝他猫好きには堪らない胸温まる短編集。著者の描く猫視点の世界と絶妙なユーモアセンスが最高! 特に「シュレーディンガーの猫」と表題作「みとりねこ」、「粉飾決算」のお父様が印象的。 巻末特典漫画に得した気分。
有川 ひろ
驚愕の結末に目が点状態のまま読了。 久々の叙述トリックの長編でしたが、綺麗に騙されました!(笑) いや~このカラクリはなかなかのもの。 途中思い描いた推理が見事に覆された瞬間、心中降参ポーズをとる始末。 かなり歪んではいるものの、想像を絶する「母性」に圧倒。
秋吉理香子
心温まる料理✕ミステリの連作短編。 各話ちょっとした謎解き要素や各々の時代に話題となった食品や事件等にも触れられており、なかなか読み応えのあるストーリーだった。構成が非常に私好みで、世代を越えて繋がっていく感じが良い。美味しいポテサラが食べたいな。
友井 羊
霊長類学者である著者が、雑学を交えつつ、ゴリラの視点から人間社会の問題点や課題を提示し見つめ直す内容。 コロナ禍もあってか「人との関わりをもちながら、他者のなかに自分を見つける楽しさ」が確かに最近減っていることを痛感。
山極寿一
面白かった! 21回このミス大賞の最終候補作。「合法復讐屋」エリスが次々と悪人に鉄槌を下す4つの短編。 個性的キャラ、テンポよい展開、鮮やかな伏線回収…読みやすくてあっという間に読了。スカッとする後味で非常に私好み。ドラマ化向きの作品では?続編に期待。
華やかながらも厳しいヅカの世界で「おっさん」専門という自らの居場所を作り逞しく生き延びてきた元ジェンヌである著者の愉快なエッセイ。 宝塚歌劇を知らずともこれだけ楽しめるのだから、ファンなら尚更ではないだろうか?表紙の可笑しさもさることながら言葉のセンスもずば抜けている。
著者が参加している俳句会の方々の俳句を基に綴られた12篇の短編集。 コンセプトからほのぼのした内容かと思いきや…ミステリー、ホラー、SF等幅広いジャンルの宮部ワールドが堪能できる濃厚な一冊。 それにしてもヤバイ男がやたら沢山出てきて笑ってしまった。(笑)
宮部 みゆき
一発屋と呼ばれる芸人達に焦点を当てたドキュメンタリー。 ネタに引っ掛けた巧みな表現や軽快な突っ込みを交えての語り口は絶妙で、一際著者の文才ぶりが光る。 芸人達に注がれる厳しくも温かい眼差しに胸を打ち、著者含め皆にエールを送りたくなる。人生色々。
山田ルイ53世
心温まり笑顔になれる作品の筆頭に挙げるなら間違いなく森沢明夫さん! コミカルで幸せな気分になれるストーリーで、全体的にRPGを思わせる内容。最後どんでん返しも爽快。 スピード感あり、某作品に登場したあの方の再登場にワクワク感も増し、終始楽しく読ませて頂いた。
森沢 明夫
タンパク質比率により生殖と寿命のグラフが対称的なのが興味深い。 体が自然と欲するものを素直に摂れば健康の筈が「超加工食品」の出現により食生活に狂いが生じた事実には人間の愚かさをひしと感じる。
デイヴィッド・ローベンハイマー/スティーヴン・J・シンプソン
スッキリした読了感。 成り行きでの旅が大どんでん返しを招く。あまりに出来すぎた内容にも思えるが、自分の人生も好転していきそうな気分。笑 キャンピングカーの描写が魅力的。 背中を押してくれる相棒の存在は大きい。
香住泰
第169回直木賞候補作の新時代ホラー。ビビりつつも好奇心が上回り頁を捲る手止まらず。 序盤から不穏な空気が漂い、じわじわ進行する主人公の変貌と共に自分の中の恐怖の穴も広がっていくような感覚だった。余りにも不条理過ぎる祟りで、腑に落ちぬ点もありモヤモヤ残る読了感。
冲方 丁
働くこと、生きること、幸せの意味ついて立ち止まって考えたい時ヒントを与えてくれる一冊。 著名人の名言集を兼ねた自己啓発本であり、後半は哲学的な内容も含まれる。 今後のキャリアに悩む社会人、就職を控えた学生にもお勧め。 胸にストンと落ちる言葉が多かった。
戸田 智弘
最初から叙述トリックであることを謳い、短編という制約があるからか今一つ作品自体の面白さに欠ける気がした。 軽快でコミカルな雰囲気漂う文体で、著者のユニークな発想力や意欲的な取組には好感。 二話目『背中合わせの恋人』は好み。 次回長編を読んでみたい。
似鳥 鶏/石黒 正数
著書『花束は毒』のイメージが強すぎて自分の中で若干ハードル上げ過ぎたかも…? 切なくもピュアな恋愛がクローズアップされたサスペンスでミステリ要素薄め。良くも悪くも裏切られた感じだが、2人の揺れ動く心の機微の描写は秀逸だったし、文章のテンポが非常に好み。
織守 きょうや
最近FFさんとの会話でもふもふ不足に気付き、図書館で借りたフォトエッセイ。 愛猫もみじ目線で綴られたかーちゃん達への手紙は、愛くるしいもみじの表情と上から目線の軽快な関西弁が見事にマッチして笑えて泣ける。共に過ごしたかけがえなき宝物に涙腺ダム決壊。
村山 由佳
シリーズ第二弾。名探偵赤ずきんが今回も大活躍! お馴染みの童話にミステリ要素が加わり想定外に形を変えて出現。所々相手をディスる描写がツボにハマってしまい今回も楽しく読了。「ハーメルンの最終審判」の話にはちょっと切なくなった。
青柳碧人
胸にじんわり温もりが広がったまま読了。まさに心の浄化。 読みながら亡き父と最後に交わすことになった言葉を思い出し、後悔の念が込み上げてきた。家族を大事にしなくては…。 こんな風に皆に思い出してもらえる乙美さんの生き方があまりにも素敵で見倣いたい。
実に見事な滅茶苦茶ぶり。 コロナ禍で一変した日常により道を踏み外した3人の転落劇場はスリルも突っ込み所も満載。スピード感溢れ手に汗握る展開には終始ドキドキ。後半はノンストップで読了。身体だけでなく、精神も侵すコロナの恐ろしさを間近で見た思い。面白かった。
著者のデビュー作。 かけがえのない時間を過ごした少年2人のほろ苦くも胸熱になる友情物語。想像していたテイストとは大分違ったが、昭和世代の私には懐かしい描写がチラホラあり、ノスタルジックな空気感や料理の描写も好み。テキ屋の焼そばが無性に食べたくなった。
上田 健次
奇想天外ガチンコ頭脳バトルの連作短編。若干脳味噌が疲れるが(苦笑)面白い。 各ゲームのルールアレンジがユニークだし、全く予測がつかない心理戦、頭脳戦の展開もドキドキで読み応え抜群。特に『だるまさんがかぞえた』を読んだ後の爽快感といったらなかった!
青崎 有吾
強烈なインパクトと独特な余韻を残す一冊。 序盤から続いた息苦しさと違和感が中盤いきなり覆されて呆然…世界がひっくり返るとはまさにこの事。 光を感じればより闇を感じる感覚には妙に納得。価値観ひとつで現実世界の見え方がガラリと変わる心理描写が秀逸だった。
服部 まゆみ
小説家つぶやきシローさん初読み。 空回りばかりでなかなか報われぬ自意識過剰オジさんの日常。 著者のつぶやきネタを彷彿とさせる妄想劇場はすこぶる健在!クスリとくるフレーズ多数でいかにも著者らしい小説だった。幸せ感じる読了感。
つぶやき シロー
関東大震災の生々しい記録が綴られた衝撃の一冊。著者の情報収集力と丹念な描写力は圧巻。 火災旋風による本所被服廠跡の地獄絵図も恐ろしいが、 流言による朝鮮人虐殺、混乱に乗じた軍部の暴走等の惨劇をみるにつけ、極限状態で心が崩壊した人間が何より一番怖いと痛感。
吉村昭
某動物園が舞台の心温まる人間ドラマ。『アジアゾウの憂鬱』の話には涙。動物の生態や動物園の裏側等初めて知る事も多く、非常に興味深い内容。動物園の存在意義についても深く考えさせられた。徐々に人と人の思いが繋がっていくさまが感動的。
佐藤青南
慢性的な睡眠不足の私には早速試したいメソッド盛り沢山。 睡眠のいちばんの目的は「今日の疲れをとることではなく、明日を生きるための積極的な行動」とのフレーズにグサリ。 日中の活動同様睡眠も大事。睡眠の優先度を上げていこう。
三橋 美穂
ご当地ヒーロー✕ミステリー。このミス大賞最終候補作品だけあり面白かった。 テーマが新鮮だったし、後半真相を暴くシーンでは緊張感MAXで読み応え抜群。唯一ワンマン社長の暴君パワハラ場面のみいただけなかった。漫画作品も読んでみたい。
おぎぬまX
平本あきおさんがコーチングした実演の数々を公開し解説。 「感情と身体の重要性」「臨場感が引き出しのコツ」「doingではなく beingを明確に」…色々気付きがあった一冊。 自分もライフチャートをコピーしてやってみよう。
山崎拓巳/平本あきお
某喫茶店の不思議な時計が、悩める人を過去へいざない再生に導くファンタジックで温かい物語。 若干二番煎じ感が否めないが、昔懐かしの喫茶メニューやジャズ楽曲等、昭和レトロなアイテムの数々に心癒された。実際に店があればハツ子さんに会いに通うだろうな。
内山 純
「読者が犯人」になるトリック云々より、著者の真っ向から難題にチャレンジする熱量が素晴らしい。途中の超能力場面が最後綺麗に着地へと繋がり一応納得。 著者の文体はどうやら私の好みらしく、最後まで飽きずにスイスイのめり込めたので、他作品も読んでみたい。
深水黎一郎
帯の「脳の最盛期は50代って、知ってた?」に惹かれ購入。 日々脳の衰えを感じている私には大変勇気付けられる内容で腑に落ちた。 加齢により脳の仕組みが変わっただけ。年齢に合った効率的な使い方をすれば脳は何歳になっても成長できる!
加藤 俊徳
面白かった~! ジョーカーをひくのは誰なのか? 次々起こるスピーディーな展開にあれよという間に引き込まれるノンストップアクション。 続くまさかの展開の果てに、最後繰り広げられる逆転劇にはすこぶる爽快。黒幕の正体にも驚いた。胸のすく読了感。
宇佐美まこと
小説現代長編新人賞奨励賞受賞のエモい青春小説。 主に登場人物の感情の動きを重点的に描いた作品で、後半読み手の心の揺さぶり方が半端なし。感情移入し涙。 途上綴られる詩的な文章は、壮大な音楽と名画にマッチした味わいで、最後は爽やかな読後感。
実石 沙枝子
ガチガチのホラー。 立て続けに起こる怪異、あり得ない状況で死んでいく人々…あまりに盛り沢山で次第に恐怖心が麻痺状態に。苦笑 栃木県の田舎に佇む『最恐の幽霊屋敷』の真相に挑むという設定は面白かい。最恐の八人の悪霊に纏わるエピソードが一番怖かった。
大島 清昭
6話連作の相撲✕ミステリ(バカミス)。 いろんな意味でぶっ飛び過ぎた内容で、終始苦笑いしながら読了。あまりにも力士が死にすぎてツッコミが追いつかず。深く考えずに楽しむことをお勧め。続編『中相撲殺人事件』『小相撲殺人事件』を読むかどうかは検討中。笑っ
小森 健太朗
ホラー色濃いミステリ。 3話構成だが、1話めから3話に至るまでの持っていき方が流石。異常なまでの執着心に畏怖したかと思えば後半の予期せぬ展開にゾクリ。一番怖いのはあんたか!と。苦笑 本当に「他人が腹の中で何を考えているかなんてわからない」ものだ。
織守きょうや
地元民が愛する「ご当地おやつ」を多くのカラー写真と共に紹介した一冊。ロングセラーを中心に、地域ならではの個性豊かなお菓子続々。 一際懐かしかったのはおにぎり煎餅とボーロ。歴代パッケージやロゴデザイン等も見ていて楽しかった。
日本懐かし大全シリーズ編集部
様々な用例を挙げ、あらゆるクレームに毅然と対応できるスキルを教授する内容で大変勉強になった。 クレーム処理は「詫びる」「状況把握」「解決策の提案」の3段階。何より素早い謝罪が必要不可欠。
神岡真司
某南の島にある助産院が舞台となるハートフルな物語。 著者が紡ぐ言葉の数々に胸を打たれ、妊婦の心情の変化や命懸けの出産シーン等途中涙しながら読んだが、ラストがどうにも納得いかず、ポカーンとなってしまったのが唯一残念。 長老のキャラが素敵。大好き。(笑)
小川糸