空想の海
深緑 野分
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
「緑の子どもたち」-植物が覆われたその家には、使う言葉の異なる4人の子どもたちがいる。言葉が通じず、わかりあえず、でも同じ家で生きざるをえない彼らに、ある事件が起きてー。「空へ昇る」-大地に突如として小さな穴が開き、そこから無数の土塊が天へ昇ってゆく“土塊昇天現象”。その現象をめぐる哲学者・物理学者・天文学者たちの戦いの記録と到達。ミステリ、児童文学、幻想ホラー、掌編小説etc.あらゆる世界への扉を開く、珠玉の作品集。
感想やレビュー
どうにか空想の海を泳ぎきり帰還(読了)。 11話の短編集だが、ジャンルは様々。印象的だったのは「髪を編む」「贈り物」「緑の子どもたち」。 苦手な味もあったものの色々な料理を少しずつ味わった後のような贅沢感。 「本は圧縮された小宇宙なのさ。」の言葉に膝を打つ。
趣の異なる11の短編たち。「この本を盗む者は」のスピンオフが最も読み応えありだが、子どもが主人公の数編は著者の子供に対する愛情のあらわれか。 「御倉館に収蔵された12のマイクロノベル」には唸らされる🤔