一線の湖
砥上 裕將
講談社
作品紹介、あらすじ
湖山賞をかけて千瑛と競った展覧会から2年ー。大学3年生の霜介は進路に悩んでいた。次の一歩が踏み出せず、新たな表現も見つからない日々。そんな折、亡き母が勤めていた小学校から水墨画教室の依頼を受ける。子供たちとの出会いを通じて向き合う自分の過去と未来。そして、師匠・篠田湖山から託された「あるもの」とはー。無限の色彩を映す水墨画を通して葛藤と成長を描く感動長編。『線は、僕を描く』待望の続編!
感想やレビュー
『線は、僕を描く』の続編。 抽象的な表現が多い為、文章をじっくり吟味し時間をかけて読了。 無の状態から次第に水墨画の命が吹き込まれていく熱のこもった圧巻描写は緊張感漂い、頁捲る手に思わず力が入った。特にラストの揮毫会のシーンが圧倒的。青山君の成長も見物。