骨灰
冲方 丁
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
大手デベロッパーに勤める松永光弘は、自社の現場に関する『火が出た』『いるだけで病気になる』『人骨が出た穴』というツイートの真偽を確かめるため、地下へ調査に向かう。異常な乾燥と嫌な臭いー人が骨まで灰になる臭いを感じながら進み、たどり着いたのは、巨大な穴が掘られた不気味な祭祀場だった。穴の底に繋がれた謎の男を発見し解放するが、それをきっかけに忌まわしい「骨灰」の恐怖が彼の日常を侵食し始める。
感想やレビュー
第169回直木賞候補作の新時代ホラー。ビビりつつも好奇心が上回り頁を捲る手止まらず。 序盤から不穏な空気が漂い、じわじわ進行する主人公の変貌と共に自分の中の恐怖の穴も広がっていくような感覚だった。余りにも不条理過ぎる祟りで、腑に落ちぬ点もありモヤモヤ残る読了感。