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海とジイ

海とジイ

藤岡 陽子

小学館

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作品紹介、あらすじ

漁師として生き、若くして自分の息子を海難事故で失ったジイ。末期ガンを抱えているが、ある日ひ孫の優生が訪ねてくる。優生はいじめが原因で不登校。饒舌に元気に振る舞うジイと優生が交わした、二人だけの約束とは…(『海神』)。長年開業してきた診療所を閉院する決断をした老医師のジイ。そんな彼を長年支えてきた48歳の看護師。閉院間近のある日、老医師は失踪する。看護師が探したどり着いたのは瀬戸内の島。もう戻らない、というジイの覚悟とは。(『夕凪』)。たたき上げで会社社長にまでなった後、潔く退職し島で石の博物館を営むジイ。大晦日、現実逃避でやって来た孫に、自分の半生を語り始める。それは、誰にも語ったことのない自身の青春時代、親友、そして、唯一の後悔だった…(『波光』)。

感想やレビュー

瀬戸内海の島を舞台とした切なくも温かい3話の短編で、各話繋がりがある絶妙な構成。 美しい海、3人のジイの優しさと生き様に心洗われ満たされた。各ジイが語る言葉が深く胸に沁み入ってくる。タイトルの「ジイ」の響きが温もりがあっていい。特に最終話「波光」は胸熱。

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