定食屋「雑」
原田 ひ香
双葉社
作品紹介、あらすじ
真面目でしっかり者の沙也加は、丁寧な暮らしで生活を彩り、健康的な手料理で夫を支えていたある日、突然夫から離婚を切り出される。理由を隠す夫の浮気を疑い、頻繁に夫が立ち寄る定食屋「雑」を偵察することに。大雑把で濃い味付けの料理を出すその店には、愛想のない接客で一人店を切り盛りする老女“ぞうさん”がいた。沙也加はひょんなことから、この定食屋「雑」でアルバイトをすることになりーー。個性も年齢も立場も違う女たちが、それぞれの明日を切り開く勇気に胸を打たれる。ベストセラー作家が贈る心温まる定食屋物語。
感想やレビュー
なかなか良かった
著者の食べ物系の小説は大好物だが、この作品も言うに及ばず。 定食屋「雑」を舞台とした心温もる物語。 元夫のくだりは多少苛つくも、性格や年齢も全く違う女2人の距離が徐々に縮まり、特別な関係へと変化していく描写が実に心地よい。 唐揚げのあげ方は真似したい。
安定感のある食べ物小説。 沙也加と定食屋の女主人ぞうさんの関係性が良い。