さんの感想、レビュー
1年半ぶりに再読。初読した時のような衝撃的な面白味(笑いで絶えず腹筋プルプルしてた)はやわらいでしまったが、それでも楽しく読書できた。精神科の治療というのは四角四面な枠にとらわれたようなものではなかなか難しいのかもしれない。ハチャメチャ伊良部のように枠をぶっ壊してとらわれ患者を自由にさせてくれる医者の方が案外と治療になったりするのかも。精神科の医療関係者こそ、自由人であってほしいとも思った。
奥田 英朗
佐藤二朗さんのツイート集。 「あしたのようちえんたのしかったよ」と報告する息子が今どこの時空にいるかは謎だ。 というツイートが素敵だった。それにしても、「いまはなんであしたじゃないの?」「なんでぼくは、じぶんのからだと、てとあししか、みえないの?」と言うご子息の感性が凄い。「明る過ぎると自分の顔が見えちゃうから」と頑なに洗面所の電気を点けないという奥様の女心、わかる(笑)
佐藤二朗
随筆集。 「棋士の中指」で『猫を抱いて象と泳ぐ』を、「バレリーナの爪先」で『掌に眠る舞台』を思い、「ハダカデバネズミの皮膚」で小川さんの作品観をまたひとつ知ることができた。「ボート選手の太もも」ではかつて同僚であったボート選手の体躯が蘇り、自らもボートに乗った時の川面を移動しているのに空を飛んでいるような感覚を思い出す。「カタツムリの殻」では『でんでんむしのかなしみ』に対し綴られる小川さんの言葉に引き寄せられ、「赤ん坊の握りこぶし」では生まれやってきた息子をじっと見つめていた日々を懐かしく思い返した。
小川 洋子
良かった!
渡辺淳子
お久しぶりですシルバー川柳さん。「孫が聞く 膝が笑うと どんな声?」おじいちゃんおばあちゃんと孫の会話って癒されます🍀*゜ 「本性が 出ると言うから ボケられぬ」わ、わかる気がする!🤣 「メイドカフェ 冥土もカフェが あるんかえ?」冥土でもプリンに生クリームさくらんぼあるかな 「外来を 三日休むと 重病説」待合室は楽しい井戸端会議♪ 「背で泣いた 孫に背負われ 芝居見る」なんだか目が潤みます 現実が厳しいことも多いと思われますが、どうか皆さまが笑顔の時間を忘れず過ごされますように。
全国有料老人ホーム協会/ポプラ社
ギャァァァ!ヒィィィ!と心の中で叫び声を上げつつも、不思議と見入って最後までしっかり読了。ミツバチの正面顔は触覚が眉毛のように見えてかわいらしく、複眼からも毛がふさふさ生えていたことには驚いた。そして脚についた花粉の夥しいこと!表紙にもなってるハエトリグモはドアップになっても愛嬌があるね。どの昆虫も意外と毛むくじゃら。ハエの頭に乗るダニは害を与えるわけではなく、単に乗り物として利用しているとか。ヘェー! こんなにあらゆる角度から拡大して撮影できる走査電子顕微鏡って凄い。もう昆虫たちのグラビア写真集だよ✨
西永奨
『しゃばけ』シリーズもいつの間にやら21冊も出ていたとは…!こちらおそらくシリーズ最新作。廻船問屋兼薬種問屋の長崎屋、一人息子の一太郎は20年ほど経っても相変わらず「昨日は死にかけており、今日も亡くなりそうであり、明日は墓の内に入っても、誰も驚かないような病弱者」。仁吉と佐助の活躍は当然として、今作では奉公姿になった屏風のぞきと貧乏神の活躍が新鮮だった。小鬼の鳴家の可愛らしさがめちゃくちゃグレードアップしてる気がする💠 屏風のぞきが動き喋るたび、以前ドラマ化された際の宮迫博之さんがチラついて笑えて仕方なかった😂
畠中 恵
後期高齢者を「高貴香麗者」、気合を「喜愛」と表現されていたのにはどこかむず痒くなるような感覚がありましたが、おしなべてこの方は非常に幸運な老後を重ねておられます。私自身も含め この本を読む全ての人が大崎さんのような老後を実現できるわけではありませんが、大崎さんの生きる姿勢から学ぶことは多くありました。好奇心旺盛でいくつになっても学びを楽しむことを忘れない。70代で手話講座に通い始め通っている教会で通訳をされるとか、素晴らしいです!散歩をすること、花のある暮らし、お金に対する考え方は私も取り入れていきたい。
大崎 博子
驚いた。あの『正欲』を書いた人と同一人物!?とたいそう笑わせてもらいながらも、どんだけ卑屈でネガティブなんだ?と少々心配になりつつ読み進める。なんのことはない、この方は所謂リア充族だ。ご本人にしてみたらいろいろあるかもしれないが傍から見てる分には非常に充実した人生を歩まれている。そして、自分をとことん落とす自虐ネタでまわりを楽しませようとするサービス精神旺盛な方だ。だからこそ、朝井リョウさんが描かれた『正欲』の八重子は「造形に厚みがなく、ただただ元気で明るい人間は異物に近くなる」だったことが腑に落ちた。
朝井 リョウ
アル・カポネが君臨するシカゴより怖い町、それは夏休みを過ごすおばあちゃん家がある田舎の町。嘘はつく、銃はぶっぱなす。正義のためなら手段を選ばない。そんな田舎のおばあちゃんと過ごした数年間の夏の思い出。 いや〜愉快で心あたたまる物語でした!アメリカで出版された優れた児童書に贈られるというニューベリー賞オナー賞を受賞しているだけあって、噛み応え読み応えのある1998年の良作。茶色に変色した硬めの紙を1枚めくるたびに古き良き時代が目の前に蜃気楼のように立ち上る、そんな素晴らしい読書時間をいただきました。
リチャ-ド・ペック/斉藤倫子
沢木耕太郎さんの『愚かさが導いてくれた道』が読みたくて手に。色んな方の考え方や日常が垣間見れるので、このようなエッセイ集も時には良いものですね。アンガールズ田中卓志さんの『最高の食事』は芸人として笑いを取りながらも母親を守ろうとする賢さと優しさに目が潤みました。
青木 耕平/青山文平
かわいらしい仕掛け絵本だった。木曽秀夫さんの絵の雰囲気が少し異なっているので初期の頃の作品なのかな。 ずっと読みたかった絵本なので満足。
木曽秀夫
この作品が初めて世の中に出たのは1982年のようだがめちゃくちゃ面白い!古き良き歯ごたえのある作品という感じ。どうやらシリーズもののようなので続きも読んでいきたい。 ①火曜日のごちそうはヒキガエル②消えたモートンとんだ大そうさく③ウォートンのとんだクリスマス・イブ④SOS!あやうし空の王さま号⑤ウォートンとモリネズミの取引屋⑥ウォートンとモートンの大ひょうりゅう⑦ウォートンとカラスのコンテスト
ラッセル・E.エリクソン/ローレンス・ディ・フィオリ
冬の氷の自然科学絵本。バーバラ・マクリントックの絵も素晴らしかった。
エレン・ブライアン・オベッド
『くまのプーさん』にどこか似通う雰囲気があり、くまざわくんのとぼけた可笑しさがかわいらしい児童書。本作はきたやまようこさんの いぬうえくんとくまざわくんシリーズの6作目のようだ。①いぬうえくんがやってきた②いいものひろったくまざわくん③いぬうえくんのおきゃくさま④くまざわくんのたからもの⑤いぬうえくんがわすれたこと⑥くまざわくんがもらったちず
北山葉子
訳者 湯川順夫さんのあとがきが心に残りました。 何かがうまくいかなくなると「〇〇のせい」と社会の少数派を攻撃するようなやり方は現在の世界でも頻繁に見られます。ユダヤ人のせい。障害があるせい。ナチやヒトラーの考え方は過去のものになったのでしょうか?社会や政治は私たちの外にあるのではなく、常に私たちの内側にあることを私も忘れないようにしていきたい。
ディディエ・デニンクス/PEF
見るところが多く、読むのがめんどくさかった。
畠山 重篤/スギヤマ カナヨ
笑った😂
くろだかおる/せなけいこ
更生保護施設の施設長、消防士司令補、強行犯係の刑事、救急救命士の4つの物語。それぞれの仕事が垣間見えてとても興味深かった。 傍聞きとはかたわらにいて人の会話を聞くともなしに聞くこと。面と向かって受けた話より傍聞きの方が人間は影響を受けやすいそうだ。たしかに、講義や講演で集団に向けて話す方が個別指導よりも伝わっているのは講師をしていた時に感じたことがある。人はやはり受動的行為より能動的行為が記憶に残りやすいんだよね。褒めたりアドバイスしたり、これからは子に対してもうまく「傍聞き」を使っていこう。
長岡弘樹
水虫女の治療録、小便男のバタフライエフェクト、今際の言葉「ナッパ!」で家族に永遠の謎を残した男 など程よく力の抜けた文体で可笑しみをこれでもかと出してくるさくらももこさんのエッセイ。笑わせてもらいました。我が身の状況をゆるく毒づきながら楽しむ聡さは真似したくても真似しきれないだろうな。 ただ、ひとつだけ。「メルヘン翁」での祖父が亡くなった際に面白がったり笑ったりするさくらさんやご家族の感覚はどうしても許容し難い。祖父との心の繋がりが薄かったとしても。その薄さゆえの願望からあの友蔵が生まれたとは切なくなる。
さくらももこ
文章を書くのが大の苦手だったという佐藤雅彦さん。そんな佐藤さんだからこそなのか「文字」の概念が私とはかなり違うのを感じる。氏にとって文字は映像でもあり、数学でもあり、アイデアでもある。『計算の苦手な電卓』『実線と点線』『マヨネーズ』『分離』はアッと鮮やかに驚かされ、『電車でとなりの人に是非読ませたい詩』は是非左隣の人に見せてみたくなる😂実は人間がこわいオバケ、ネズミの道案内はかわいいし、『ABCvsあいうえお』はわかるわかるー!ポリンキーやだんご三兄弟や団子レポートも出てきてお得感満載の超短編作品集。
佐藤雅彦
目を射るほどに強く輝くコーカサス山脈の純白の頂。麓に広がる地には、かつて、史上はじめてモンゴルの侵攻を受けたキリスト教国ジョージア王国があった。ヨーロッパとアジア、キリスト教とイスラム教が隣接し合う地は、複雑な歴史を辿っていく運命から逃れることはできない。その中にあり、我が国を必死に守り生き抜こうとした若き女王ルスダンと王配ディミトリ。ルスダンもディミトリも実在した人物であるということを思うと切なくなります。巻末のジョージア大使との鼎談も非常に良かったです。
並木 陽/トマトスープ
小学生の頃、男子が苦手だった。家族や親戚に男子はいたが、どの男性も大人しく穏やかで品行方正(?)だったためか同級生男子はほとんど蛮族に見えていた。時が経ち、息子が生まれ、子の成長とともに時折感じるデジャブ。まさか…そんなはずは…。戦慄の中にも次第に育まれていく男子愛。遊びに夢中で人の話を聞けないのも鼻血よりドッジボールが大事なのも涙をこぼしながら頑なに理由を話さないのも、エネルギーに満ち溢れ好きなことへの集中力半端なく小さいながらも美学があるから。ばかで無敵でかっこいい。そんな男子が今は大好きだ。
梅佳代
「何これ😆マッシュルームみたい!」とすぐ手に取った息子。こちらではなかなか見られない不思議な雪景色の総出演に、食い入るように頁を捲るめくる。大福みたいなふっくら雪、今にも車を押しつぶしそうなでっかいパンケーキ雪、雪のコックさん帽子かぶった郵便ポスト、斜面から転がってきた雪はバームロール菓子のよう😋凍った滝は圧巻で、南天の赤い実と雪はとても似合う。 水の3つの姿と、雪がうまれるしくみがわかりやすくまとめられた良い写真絵本。 暑がりな母は涼を求めて何回も見ている本なので、もう購入しちゃおうかな〜。 8歳
片平孝
白猫と黒猫から生まれたきょうだい猫たちはみんな白か黒。わたしだけ赤。これは隔世遺伝だろうな。 私もいわゆる赤。祖父が赤で父母は白黒。他の家族から虐げられる祖父を見て育ち、熱心な矯正を施されるも白黒にはなれず。ついぞ赤自体を受け入れられることはなかったため、自分のことが大嫌いな自分が残ってしまった。「赤でも自分が好き」と言えることはとても大事なこと。あかねこの幸運さを祝いたい。 そして、「みんな違ってみんないい」という言葉がどれだけ無力で意味を成さない言葉か。そんな風に思ってしまう我が身がなんとも情けない。
サトシン/西村敏雄
梨木香歩さんの絵本ー!と手に取ったが、見た瞬間、なんとも言えぬ不気味な人物像にたじろいだ。読もうという気持ちになかなかなれずしばらく置いておいたが、ある日 急に読む気スイッチON。うぅ人物像がやっぱり気色悪い〜…などと思いつつ、気がつけばするすると物語の世界へ。お父さんの跡を継ぎペンキ屋になった息子。仕事の奥深さ、壁に突き当たった時の葛藤、乗り越えた後の充足感。時を経て受け継がれていくものへの想い。船の甲板から眺める朝焼け、夕凪、夜の海の美しさ。なのに。なのに。最後。…えっ?これってホラー絵本だったの!?
梨木香歩/出久根育
身代金目的にソメコをさらったオニ。さあ金を要求する手紙を書くぞ…!となった時、オニの身に異変が。赤かったオニが青くなりながら、当初とは真逆の内容の手紙を慌てふためき書くオチに息子と一緒に笑わせてもらいました😆この絵本たのしー! 8歳
斎藤隆介/滝平二郎
表紙の人物絵がめっちゃスクルージ!これぞスクルージ! 以前に読んだ小説『クリスマス・キャロル』が視覚的に楽しめましたが、絵本にするにあたって構成には限界があったようで端折り感は否めませんでした。「こんな簡単に変われたら人は苦労せんわな…」という感想になってしまいそうなところですが、スクルージは変わったのではなく元々の優しく陽気なスクルージに戻ったのだと、先に小説を読んでいた故に思います。この世の中、変わりたいと願う人は数多いると思いますが、元に戻りたいと願う人も実は数多くいるのかもしれません。
チャールズ・ディケンズ/ブレット・ヘルキスト
なんとなく読もうと思って手に取った本ってやっぱり繋がりはあるものだね。観賞魚としての金魚の歴史について知った最近、読メで紹介されていたこちらが気になったので読んでみたのです。こちらでも金魚の歴史に物語が及んでおり中国の歴史への興味もかき立てられ、良い読書時間をいただきました。感謝。本作のヒロインは金魚なのですが、その妖しげな描写にたまらなく惹かれました。映像化されているようですが、読書しながら私の頭の中に築き上げた物語を壊したくないので見ません。 「え?結婚するん!?」と驚いた展開以外は全て良かったです。
荻原 浩
感想書いていないけれど爆笑しながら読ませていただいた『イン・ザ・プール』の続編。伊良部先生相変わらずやな!丸い巨体で純粋無垢な弧を描くサーカスの空中ブランコとかもう…笑「やっほー!」という声が今も脳裏でこだましてる😂先端恐怖症のヤクザが怖い怖い刀対策に困った挙句エスカレートしていく防御服のナリには爆笑。義父のヅラを剥ぎたくて仕方ない病の話も😂女流作家のお話だけ入り込めず、それ以外はとにかく大変笑わせていただきました。巨大物恐怖症 高所恐怖症でGoogleEarth見れない私も伊良部先生にかかりたい😂
やはり浅田次郎さんの作品は美しい。もう芸術の域だよ。最高形態の娯楽という芸術。 ちょっと待って…なんでそうなる!?展開だった『踊子』『スターダスト・レビュー』『見知らぬ妻へ』。やくざ者の思考回路は私にはよくわからんが、それでもその頑なな姿勢からは男の美学が伝わってくる。それは浅田さん自身の美学でもあるのだろう。『迷惑な死体』では笑わせてもらい、『金の鎖』では同じ四十路の女の動向に なんだか済みませんなぁ…となり、『かくれんぼ』『うたかた』『ファイナルラック』でほろり。浅田さんの短編集制覇したい。
浅田次郎
『やまと尼寺 精進日記』欠かさず見てました。奈良は音羽山の中腹にある観音寺で7年間お手伝いさんをされていたまっちゃんが出されたエッセイ。ご住職さんや慈瞳さん、番犬オサムに山の麓に住む潤子さんも出てきて懐かしい。番組で見た数多くのエピソードが思い出されるような、ほんわか楽しく優しい気持ちになれるご本でした。まっちゃんがチベットラサ巡礼をしていたこと、慈瞳さんの頭は3日も剃らないと暖簾にからまって頭を持っていかれる話が印象深かったです。 それにしても、ベニシアさんもやまと尼寺も終わっちゃってとても寂しい…
まっちゃん
「551の肉まんがある時ー!ない時ー…」のような絵本と言いますか。冬さなかのおひさまが弱い日と、春も近づきおひさまが出てきた時の動物たちのよろこび具合の違いを楽しめる絵本。特に冬のそれぞれのおうちの中で何が起こっているのかを楽しそうに見ていました。「ぬいぐるみ取り合いっこしてる!」とか「落書きして怒られてるー!」とか。春になってからの情緒的な展開はあまり響いてなかったようですが。それでも、読むのは母でもページをめくるのは普段から息子に任せているので、めくる速度から絵を見入っているのがよくわかります。 8歳
エリサ・クレヴェン/江國香織
十二国記シリーズ、リタイアします…。『魔性の子』『月の影 影の海』『風の海 迷宮の岸』と読んできたけど、主人公があまりにも持ち上げられ過ぎているのが続くので読んでいて疲れてきました😣主要人物以外のモブキャラの命が非常に軽く扱われていたり、必要以上に集中砲火を浴びてけちょんけちょんに貶されていたり(女仙から南瓜大夫への上から目線台詞とか)、、主要人物の持ち上げられようとの落差に心が痛くなります。 どんな困ったさんであっても、その人の生きていた証に寄り添うような描写が一瞬でもいいから欲しかったな。
小野 不由美
クラスにとけ込めないネネットとクラスメートのノウの交流が描かれた絵本。ネネットの目の描かれ方が怖くてあまり心をかたむけて読むことができなかったのだが、それも描写の1つだったのかもしれないと読後しばらくしてから思い至った。私も含め人は異質と感じたものをどうしても遠ざけようとしてしまう。それは生きていく上での本能的なものだとはわかってはいても。ノウと共に過ごすようになってからのネネットの目はたしかに優しくなっている気がします。 自閉スペクトラム症を抱えるネネットの内なる世界の描かれ方は心惹かれました。
アレクサンドラ・ガリバル/シビル・ドゥラクロア
『かいじゅうぞろぞろ』『すってんてんぐ』でお気に入り絵本作家さんとなった木曽秀夫さん。昔話ではお約束のいじわるばあさん、変身トンネルの変身過程、まさかのあみだくじ遊び など盛りだくさんで1冊まるごと楽しめる絵本。なんといっても、木曽さんの絵が良いんだよな〜´֊`
高田桂子/木曽秀夫
戦時下の満州及び内蒙古を経て日本の支配力の及ばない西北を突破、チベット、インド、ネパールを渡り歩いた西川一三の8年に及ぶ潜行録。巡礼者を受け入れ支援する人々の純粋さは、今の時代の日本に生まれ育った私が見たことのない類のものだった。日本軍と行動を共にしたチャンドラ・ボース軍隊の将校、マハトマ・ガンジーが暗殺されたという地元後援者の庭など不意に触れる歴史に驚き、貧しい漢人から弟子として買い取られたバト少年の死には涙涙。 西川一三さん、ロブサン・サンボー、あなたという人間がいたことを私は忘れません。
沢木 耕太郎