gegetomさんの感想、レビュー
生者から依頼を受け死者と面会の交渉をする、それが使者(ツナグ)。依頼人は様々な思いを持って死者と会うのだが、面会後、前進する人もいれば、生涯重いものを背負って生きることになる人もいる。依頼人のそういう姿を見たからなのか、ツナグ見習いの歩美は、本格的にツナグを引き継ぐ前に会いたい死者に会える、という選択肢をあえて捨てる。彼は自分の感情に素直に従い、死者を温かい想い出の中で生かすことにしたのだ。死者と面会というとオカルトに感じるけど、安心して読めるストーリー。登場人物の心の機微を著者が丁寧に表現している。