ツナグ
辻村 深月
新潮社
作品紹介、あらすじ
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
感想やレビュー
死者と会えるって話。面白くない。
生者から依頼を受け死者と面会の交渉をする、それが使者(ツナグ)。依頼人は様々な思いを持って死者と会うのだが、面会後、前進する人もいれば、生涯重いものを背負って生きることになる人もいる。依頼人のそういう姿を見たからなのか、ツナグ見習いの歩美は、本格的にツナグを引き継ぐ前に会いたい死者に会える、という選択肢をあえて捨てる。彼は自分の感情に素直に従い、死者を温かい想い出の中で生かすことにしたのだ。死者と面会というとオカルトに感じるけど、安心して読めるストーリー。登場人物の心の機微を著者が丁寧に表現している。
依頼すると、無料で死んだ人と生きた人を会わせてくれる使者(ツナグ)と依頼人の短編集。アイドルの心得は、亡き飯島愛ににたアイドルが出てくる。 私は親友の心得が好き。
☆