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gegetomさんの感想、レビュー

物語は主人公まりあの夫小野寺君が突然失踪するところから始まる。途方に暮れたまりあは夫との想い出の地である南の島を訪れる。島の情景やまりあの心情がとても丁寧に描かれ、それが南国独特の緩やかな時間の流れを醸し出している。本を開くたび、緩やかな時間の流れが漂ってくるようだった。ハッピーエンドでホッとするのだけど、小野寺君の失踪の原因や、先生の若い頃の話や、長老の悲恋の話など、匂わせながらも詳細が語られないところがいい。小川糸さんの作品を読むと、一杯のお茶でも丁寧にいれよう、という気持ちになる。

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