本当に面白かった。
目次をみて、殺しのバトンや殺しのエラーとやら大丈夫かと思った。最初に高島勇二がおそろくロボットの誤作動か何かで亡くなってしまうシーンから始まる。
主人公の末永拓也は、サイコパスみたいな人間であった。それは本人の幼少期に受けた父親からの暴力によるもの。ここで本当に親は、子どもの将来を決めてしまう極めて重要なものだと思った。拓也のセフレだった雨宮康子が妊娠してしまう。堕すと思っていたら、まさか産む!?!?だが拓也の子どもかはわからなかった。もしそうだった場合、結婚はしなくていいけど、養育費は払ってもらうということだった。拓也は自分が有能でエリートになり勤務をする夢しかなかった。セフレに子供ができてしまったことなんて、知られたらダメだと思った。その時仕事先に、康子の父親の可能性がある人物を見つけた。それが仁科直樹と橋本であった。その3人で殺そう。新大阪で殺して名古屋、厚木東京とリレーして見つかるのは、東京ってことにしようとなった。それぞれの区間をabcとし、誰がどこをやるかはトランプで決めた。直樹が準備したものである。しかし、誰もが嫌がるa(康子を殺す)を直樹がすることになった。
拓也は、b地点で橋本へ渡すとき一緒に死体見たら、まさかの直樹の死体であった。ここでまず衝撃。本を見ながら、えーーっと口を開けてしまった。結局、亡くなった高島勇二を殺害したのは、悟郎であった。高島勇二には婚約相手がいた。弓絵だった。悟郎は弓絵が好きであったが、勇二に取られて悔しかったからだ。しかも、ロボット工場で夜勤をしていた勇二をロボットを操作して殺した。結局ロボットの誤作動ということで、話は片付いていたが、本当は悟郎が殺害していた。最後に拓也からはそれがバレることになる。
警察も拓也が死体リレーに参加していたことは、拓也が幼少期に作ってしまった傷が理由となる。結局康子を殺したのは拓也だが、それは警察はわからない。直樹殺しも分かっていない。そこまで完璧な犯罪であったし、最後は拓也がブルータスに首を掴まれてしまうところで終わる。
東野圭吾は天才。本の中へ連れて行ってくれる。