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ホラー・サスペンスという評の意味が読み終わって理解できた。
ジェローム・ルブリ/坂田 雪子/青木 智美
犯罪学者とミステリー作家が、偶然関わることになった事件を解き明かしていく。ミステリー小説の手法の解説を聞きながら、現実と幻想が行きつ戻りつする不思議な世界に入り込む面白さがある。
有栖川有栖
四つの短編の登場人物たちのそれぞれの「卒業」。卒業に至るまで、どれくらいの時間がかかるかは、誰にもわからない。卒業できるかも、わかっていなかっただろう。卒業する気もなかったかもしれない。 思うようにいかないことがあり、苦しみに胸かきむしられ、いたずらに時間を消費し、孤独になり、もがき、助けを求め、もがいた先に、こんな「卒業」があるのかと、読者の胸にあたたかく迫るものがある。
重松 清
夜の床屋。ほのぼのとしたストーリーを期待して裏切られる。誘拐犯が悪事遂行のために即席で開いた「夜の床屋」。 本著に収められる短編は、どれもどこか浮世離れした空気を醸しながら、最後は科学的に解明され決着を見せる。不思議な雰囲気の本だな、と思って最後の短編まで読んだ時に、自分の解釈は見事に裏切られる。科学的に解決したと思われたことが、一気にすべて浮世離れした霧に包まれてしまう。読後に頭の中でもう一度最初から反芻している自分がいる。
沢村浩輔
連作短編集かと思いながら読み進めていたら、登場人物の思いや物語が章を超えて絡み合い綾をなしていく。ぎょらんとは何か?登場人物の人生をかけた自問に読み手も絡め取られていく。
町田 そのこ
ホームレス中学生の兄が綴った本。家長として自分のことは後回しにして弟と妹を支えた兄。自分が手放した夢を叶えた二人を羨ましく思いながらも、見守り支え続けるお兄さん。その謙虚さと賢さと優しさに敬服した。
田村研一
超人的な能力を持つ4人組が、アメリカの情報を奪おうとする中国人テロリストと対峙する。人物が魅力的でストーリーに引き込まれる。
今野敏
死なない解決策はなかったのか、と思う。
天童荒太
登場人物が次々死んでいく。怒りや絶望に胸をかきむしって。この作者の抱えている思いは、自分の心につきまとっているものにとても近いと感じる。でも、胸をかきむしりながら生き続ける登場人物たちも見てみたい気がしている。
天童 荒太
被害者が静かに別世界へ移っていく描写を読んで、自分の欲している永遠の静けさに近いものだと感じた。
先が気になり一気に読んだ。 冷静さを失わないという設定の主人公が、自らのこだわりを推し進めることで犠牲が大きくなっていく状況については冷めた目で見てしまった。
大沢在昌
ジャニーズ問題、日航機墜落、日本経済の失墜、一見するとバラバラに思われるこれらの事柄がつながっているとすると、日本の病巣は相当深い。森永さんの綴った本著の重さをどう受け止めたらいいのか。
森永 卓郎
ダブル・トラップというタイトルが何を意味するのか、それが気になりながら一気に読み切った。
警察官を定年退職し、在職中の事件に絡み、ある贖罪の思いを抱きながら妻とともにお遍路をする主人公。札所巡りの旅と並行し、16年前に関わった事件の冤罪疑惑、その事件に類似する事件の発生、自らの家族にまつわる物語が層をなして展開していく。
柚月 裕子
1990年代に隣の北朝鮮でこれほどの食糧難や餓死があったことに驚いた。
金革
未完に終わった陸奥宗光の半生記。葉室麟さんが何を描きたかったのか、明治維新から150年を意識されたという他の作品を読んでみたいと思った。
葉室 麟