ニックネームが設定されていませんさんの感想、レビュー
ニックネームが設定されていません
先が気になり一気に読んだ。 冷静さを失わないという設定の主人公が、自らのこだわりを推し進めることで犠牲が大きくなっていく状況については冷めた目で見てしまった。
大沢在昌
徳間書店
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ホラー・サスペンスという評の意味が読み終わって理解できた。
ジェローム・ルブリ/坂田 雪子/青木 智美
犯罪学者とミステリー作家が、偶然関わることになった事件を解き明かしていく。ミステリー小説の手法の解説を聞きながら、現実と幻想が行きつ戻りつする不思議な世界に入り込む面白さがある。
有栖川有栖
四つの短編の登場人物たちのそれぞれの「卒業」。卒業に至るまで、どれくらいの時間がかかるかは、誰にもわからない。卒業できるかも、わかっていなかっただろう。卒業する気もなかったかもしれない。 思うようにいかないことがあり、苦しみに胸かきむしられ、いたずらに時間を消費し、孤独になり、もがき、助けを求め、もがいた先に、こんな「卒業」があるのかと、読者の胸にあたたかく迫るものがある。
重松 清
夜の床屋。ほのぼのとしたストーリーを期待して裏切られる。誘拐犯が悪事遂行のために即席で開いた「夜の床屋」。 本著に収められる短編は、どれもどこか浮世離れした空気を醸しながら、最後は科学的に解明され決着を見せる。不思議な雰囲気の本だな、と思って最後の短編まで読んだ時に、自分の解釈は見事に裏切られる。科学的に解決したと思われたことが、一気にすべて浮世離れした霧に包まれてしまう。読後に頭の中でもう一度最初から反芻している自分がいる。
沢村浩輔