ぎょらん
町田 そのこ
新潮社
作品紹介、あらすじ
人が死ぬ瞬間に遺す、いくらのような赤い珠。口にしたものは、死者の最期の願いが見えるというー。十数年前の雑誌に一度だけ載った幻の漫画『ぎょらん』。作者の正体も不明ながら、ネット上では「ぎょらんは本当に存在する」という噂がまことしやかに囁かれていた。三十路のニート、御舟朱鷺は、大学一年のときに口した友人の「ぎょらん」に今も苦しんでいると語るが…。とある地方の葬儀会社で偶然に交錯する、「ぎょらん」を知る者たちの生。果たして「ぎょらん」とは一体何なのか。そして死者の願いは、遺された者に何をもたらすのかー。「R-18文学賞」大賞受賞作家が描く、妖しくも切ない連作奇譚。
感想やレビュー
2023/11/26
連作短編集かと思いながら読み進めていたら、登場人物の思いや物語が章を超えて絡み合い綾をなしていく。ぎょらんとは何か?登場人物の人生をかけた自問に読み手も絡め取られていく。