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らいかさんの感想、レビュー

高田大介「図書館の魔女 烏の伝言(つてごと)」下巻。再読了。 またラストを外で読んでしまった。不覚。前回覚えたじゃないか、この本を外で読むと泣いてしまうからやめなさいと。コーヒー屋の通路側にあるカウンターだったから誰にも見られてないはず。たぶん。 ああ、愛すべきキャラクターたち。 剛力達、鼠達、二ザマの面々、そして黒(ハク)... 君たちにまたしばらく会えないと思うととても寂しい。いや、でもまたすぐに会えると思ってるよ。霆ける塔(はたたけるとう)で。 いやほんともうこの図書館の魔女シリーズは、これまでの読書体験の中でもトップクラスに輝く作品。たまらなく魅力的な小説。 そして下巻ではとうとうあの人。 そう、マツリカが登場する。 まってました姐さん!! マツリカとワカンのやり取りはずっとニヤニヤしてしまう。ああおれもマツリカに言われたい「お前、面白いな」と。もちろん手話で。 あと鼠たちも愛おしい。虐げられた生活を強いられながら心の底にある矜持だけは絶対に曲げない。その信念が剛力たちとも二ザマの面子とも揺るがない部分として繋がっていく。もう泣くて。鼠が鍋を食べるシーンでさえ泣いてしまうて。 そしてこの小説のすごいところは新たな知見が得られるというか、目から鱗の体験をさせて貰えるところ。 漢字(小説の中では本字)と仮名のどちらが簡単でどちらが難しいか。言葉の並べ方が上手くできないものにとって、仮名は一字だけでは意味のない言葉だから漢字を分解することによって意味がわからなくなる。だから仮名がわからないやつに漢字なんてわかるわけがないと言うのは思い込み。漢字の方が一字で意味まで表してるものな。驕り高ぶった考え方をしてたわ。ああ、なんという知見、目から鱗ぼろぼろ。 あーあ。また読み終わってしまった。読んでる間は楽しいのに、読み終わると寂しい気持ちになる。まったくもうこの本は。早く次を読ませてくださいな。お願いします。

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