図書館の魔女 烏の伝言 (上)
高田 大介
講談社
作品紹介、あらすじ
道案内の剛力たちに導かれ、山の尾根を行く逃避行の果てに、目指す港町に辿り着いたニザマ高級官僚の姫君と近衛兵の一行。しかし、休息の地と頼ったそこは、陰謀渦巻き、売国奴の跋扈する裏切り者の街と化していた。姫は廓に囚われ、兵士たちの多くは命を落とす…。喝采を浴びた前作に比肩する稀なる続篇。
感想やレビュー
高田大介「図書館の魔女 烏の伝言(つてごと)」再読了。 大好きな図書館の魔女シリーズ第2弾。たぶんそろそろ第3弾の「霆(はたた)ける塔」が発売されるのではなかろうかとの期待も込めての再読中。 この上巻、初めて読んだときはなかなか文章が頭に入ってこず苦戦したのだが、再読では全くそんなことはなく、すらすらと読めてしまうという前作同様の高田大介マジック。もう舞台設定がわかってるからなのだろうか。 今回は、二ザマの内乱から逃げる姫さまの手引きをする山賤(やまがつ)と呼ばれるものたちが、逃げついた先の港町で陰謀に巻き込まれるお話。 烏の伝言という副題の通り、メインとなるキャラクターはカラスを自在に操る鳥飼のエゴン。その容貌は顔の傷によりふた目と見れない醜悪さ。しかも言葉が使えないため、周りからはカラスとしか話せない愚鈍なものと思われている。 このエゴンと港町で協力者となるカラムのやり取りがとてもとても好きでたまらない。話せないから、顔が醜悪だから、カラスとしか意思疎通できないから愚鈍とは限らない。でもそう思われてもしょうがないという諦め。なんというもどかしさなのだろう。よかったね、エゴン。 そしてカラム。おまえ....かぁっ、言えない。 さあ下巻だ。図書館の魔女シリーズの本領発揮だ。再読だけど読むのが楽しみでしょうがない。だってもう面白いってことがわかってるのだもの!!