円
劉 慈欣/大森 望
早川書房
作品紹介、あらすじ
円周率の中に不老不死の秘密があるー10万桁まで円周率を求めようという秦の始皇帝の命を受け、荊軻は300万の兵による人列計算機を起動した!『三体』の抜粋改作「円」。貧村で子どもたちの教育に人生を捧げてきた教師の“最後の授業”が驚愕の結果をもたらす「郷村教師」。漢詩に魅せられた異星種属が李白を超えるべく壮大なプロジェクトを立ち上げる「詩雲」など、中国SF界の至宝・劉慈欣の精髄13篇を収録した短篇集。
感想やレビュー
劉慈欣(リウ・ツーシン)「円」読了。 13編の短編集。 これNetflixにあるブラックミラーみたいにSF短編ドラマとして映像化してもらえないだろうか。全部良い。全部良いぞ。三体でこの作家さんを知ることができてよかった。感想を少しずつ。 「鯨歌」 くじらはうたう。かなしみの歌を。 「地火」 犠牲無くして進化なし。考えさせられる。 「郷村教師」 田舎と超高度な文明の落差がよき。 「繊維」 筒井康隆を感じる短編。なんか懐かしい。 「メッセンジャー」 好き。アインシュタイン。 「カオスの蝶」 バタフライエフェクトこれ映画になるんではないかのレベル。 「詩雲」 神が人を真似て詩を作る。そして思いつく。全ての文字の組み合わせを作れば李白の作った詩を超えたものもその中に含まれる。ただ、感動は検索できない。深い。 「栄光と夢」 かなしい 「円円のシャボン玉」 唯一のハートウォーミング 「二〇一八年四月一日」 SF的エイプリルフール 「月の光」 ゆめかうつつか。 「人生」 胎児よ胎児よなぜおどる 「円」 人間コンピュータ ああ、もっと、もっとこの人の作る物語を読ませてくれ。