ずーあさんの感想、レビュー
ずーあ
桐野夏生さんの本が好きでよく読むのですが、短編集は初めてでした。 読みやすいのですが、最後の終わり方がここで終わる…?と感じ、登場人物のほんの一瞬を見ただけ、で終わり消化不良でした…。 個人的に短編集が苦手だからかもしれません。
桐野 夏生
文藝春秋
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「普通の人」3人が、タイトル通りどんどん滅茶苦茶になっていく様がハラハラドキドキでとても楽しかったです。 でもコロナで狂っちゃったよね〜って最後まとめられるくらいの罪?事件?ではない気もしました。 最近染井為人さんの作品が面白くてたくさん図書館で借りてしまいます。
染井 為人
私も二人の息子を持つ身として読んで、ドキドキしてしまいました。わたしも一本間違えれば、環境が違えば、アキのような母になるんじゃないか、もう既にそういう一面もあるんじゃないかとか、怖くなりました…。 だからこそ、ユウマには幸せになって欲しかったのに、だんだんとユウマが歪んでいく様が描かれていて、読む手が止まらないのに読んでいて辛かったです。 アツトも結局どうなったかもわからずじまいで、目加田夫婦とこれからどうなるの…ってところで終わってしまったけれど「二度とナイフを持つことはなかった」ような記述があったので、よい親子関係を築いていてほしいなと…。
桐野夏生
なんとなく、路上のXのイタリア版、という印象を抱きました。とても面白かったです。 マイコが家出してからはハラハラで、なぜ隠れるように暮らしているのか、謎が解けていくところから面白くて一気に読みました。 エレンが亡くなっちゃったのは残念だったけれど、母親とのわだかまりも解けてハッピーエンドな終わりが良かったです。
読み進めるうちに話が二転三転し、登場人物の印象がどんどん変わっていくのが面白いです。 先生の至に対する気持ちと至のお父さんに対する気持ちを考えたら涙が止まりませんでした…。 先生は特に息子を信じてあげられずに手にかけてしまったと考えると…どれだけの罪悪感に苛まれるんだろう、と…。 至もお父さんを尊敬していて、信頼していて、その上で最後の絵に「標本にしてください」と遺したと考えると切なくて切なくて…。 誰もが被害者で、そして、残酷だけれど哀しい物語でした。
湊 かなえ