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猫丸さんの感想、レビュー

読み始めは、お正月に晴れ着の袖に腕を通した時の様な、ひんやりとするけれど、背筋が伸びる心地がした。読後感は、凛と張り詰めた冬の冷たい空気の中に一輪の梅が咲き誇り香しく匂い立つ春の訪れの様に思えた。定められた身を流されながらも、時に抗い、ままならなさを嘆き、悔い、罪を背負い、様々な想いを抱えつつも、不条理という刀をいかにして己という鞘に収めるか。人の世を生きるということは、こういうことなのかもしれない。

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