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紫式部ひとり語り

紫式部ひとり語り

山本 淳子

KADOKAWA

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作品紹介、あらすじ

「この私の人生に、どれだけの華やかさがあったものだろうか。紫の上にちなむ呼び名には、とうてい不似合いとしか言えぬ私なのだ」-。今、紫式部が語りはじめる、『源氏物語』誕生秘話。望んでいなかったはずの女房となった理由、宮中の人付き合いの難しさ、主人中宮彰子への賛嘆、清少納言への批判、道長との関係、そして数々の哀しい別れ。研究の第一人者だからこそ可能となった、新感覚の紫式部譚。年表や系図も充実。

感想やレビュー

まるで紫式部が語りかけてくるように描かれている。「世」ということ、「身」ということ。「世」とは世の中、「身」とは自分の立場。理不尽な世の中をままならぬ身で生きていく。出会いと別れの人生を憂いながら生きていく。それが世というもの。それでも生きたいと願うのが人というもの。だから、ただ生きていくのだ。歴史上の偉人ではなく、一人の女性としての紫式部に親近感を持った。世情が如何に変われども、人間の心の有り様に変わりはないのだ。千年前の女性に背中を押された気がした。

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