ずーあさんの感想、レビュー
社会保障について、考えさせられる作品でした。 生活保護は不正受給の問題ばかり取り沙汰されていて、受給するべき人が受給できていない、予算削減で弾かれている人がいるなんて…という気持ちです。窓口でのつっぱね方は小説用に誇張されたものなのか、そうでなかったらゾッとします。 確かに税金は何もしなくても取られていくのに、支給されるお金は制度を知らなくては、そして申請にいくつもの手続きを踏まなくてはいけないものが多く、わかりづらいものばかりです。私もそうなのですが、知識がない故に、その情報にすら辿り着けないということが多々あります。 申請したとしても制度上、どこかで線引きがされて、得する人、損する人がでてきてしまいます。 貧困の再生産にも触れられていて、貧困から抜け出すのがいかに難しいかが窺えます。 物語としては、利根が空港に行くあたりの記述から犯人じゃないのかな?と思い、カンちゃんでは??と思ったのですが、それが円山だとは思わず!中山七里さんらしいどんでん返しでした。面白かったです。
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