gegetomさんの感想、レビュー
孤独や疎外感を感じる中学生7人が、光る鏡に吸い込まれ、とある城に集められる。招集したのはオオカミさま。 前半、読み手は中学生7人の関係性を想像することに注力する。物語のところどころに出てくるヒントを拾いながら彼らの状況を組み立てていく。 後半になって、本題である鍵の探索が始まる。読み手は童話になぞられた仕掛けをこころと一緒に解き明かし、最後は(マサムネがハマっていた)RPGゲームのような展開で一気に読了する。 こんなファンタジー作品だとは思っていなかった! 読み手がなんとなく想像していた状況が、エピローグで温かく描かれ、気持ちよく物語を読み終えることができた。 そういえば、物語前半でマサムネが『オレ、物語とかで泣いたの、ゲームが最初だもん』と言っているが、これも最後の闘いにむけたセリフだったのかも。 もう一度読むと、まだまだ気付かなかった仕掛けが見つけられそう。