まるやまさんの感想、レビュー
絶望作家で知られるフランツカフカであるが、訳し方でかなり印象が左右される。ストーリーで言えば救いようのないバッドエンドで、醜い虫に変わった理由もわからなければ最終的に家族に忌み嫌われて死を選ぶグレゴールは虚しい。たくさんの思惑が交錯しているところが文学なのだろう。訳者あとがきでは、直訳や歴史的変遷など詳しくこの作品及びカフカについて言及しており、カフカの人間像が変人のナルシストで、この変身も原本ではもっと絶望的な言い回しを選択していることもうかがえた。
絶望作家で知られるフランツカフカであるが、訳し方でかなり印象が左右される。ストーリーで言えば救いようのないバッドエンドで、醜い虫に変わった理由もわからなければ最終的に家族に忌み嫌われて死を選ぶグレゴールは虚しい。たくさんの思惑が交錯しているところが文学なのだろう。訳者あとがきでは、直訳や歴史的変遷など詳しくこの作品及びカフカについて言及しており、カフカの人間像が変人のナルシストで、この変身も原本ではもっと絶望的な言い回しを選択していることもうかがえた。