まるやまさんの感想、レビュー
まるやま
デヴィ夫人の経験した国際的な社交界でも通用するエレガントで女性らしい振る舞いのマナーが記されている。背筋がすっきりと伸びて堂々とした振る舞いに拍が付く。
ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
Clover出版
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終始気味が悪い。最初から最後まで答えはないし、どこの世界線の物語なのかわからない。読者に考察させるために敢えて背景は伏せているのか。作者が伝えようとしていることは一体何なのか。信じるものが違えばどんなおかしな理論・常識にも順応する人間の醜悪さを描いているようにも見えない。主人公(?)佐藤の一人称視点で描かれているが、普通ではない気持ちの悪い思考が生来のものなのか環境要因なのかが最後までわからなかった。他人の行動を分析的に観察して気味の悪い解釈をしたり不可解な疑問を持つのは何故なのか。未来の催眠のストーリーも、作中ではずいぶんと"普通"らしい真夏の監督した舞台のストーリーも気味が悪く意味もわからないが、なんとも引き込まれるような、怖いもの見たさを刺激するものであった。読んでいるうちに読者であるこちらも思考が破綻して頭がおかしくなりそう。この作品がなんたるかの1ミリも分からなかったが、何故だか頭に残る印象的で芸術的な作品。
遠野 遥
『How to win friends and influence people』著者のデール・カーネギー氏が、人間関係を説く講義の際に、それ以前には存在していなかった対人の心構えを説いた教科書である。どんな人とでも良好な関係を築く方法が表題としてまとめてあり、それぞれに具体的な経験談を併記しているため理解しやすい。相手を論破して納得させるなんてことは不可能であり、たとえ相手が間違っていても肯定すること、自分の話ではなく相手の興味あることを相手に話させること、人を褒めて立てること、それを近しい人ほど実践すること、相手との良好な関係性は自己の幸せに直結したことであるので努力を惜しまないこと。万人が回避できない対人方法についてのバイブルと言えよう。定期的に見直して遵従したい書籍。
D・カーネギー/山口 博
美しい。エスキースの鮮やかな色彩が臨場的に表現されており、頭の中で情景や心情が鮮やかに発色する。最後のエピローグでやっと、自立していた短編が線になり繋がって、終盤まで別の短編だと思っていたストーリーは、ブーとレイの人生の軌跡であり、ジャックジャクソンが生み出した水彩画「エスキース」が、ブーとレイに纏わる多種多様なさまざまな人生を見守り、成長していたことを香らせる美しい構成。水のように透き通った文学的表現も鮮やかであった。
青山 美智子