一言一句、読み逃しがないように噛み締めるように読んだ。
「春期」のときから謎だった、小鳩くんと小佐内さんが小市民を目指し、互恵関係を結んだ経緯が語られる事件と、二人の卒業のお話し。
事件そのものは米澤節の「青春の苦み」が満載だった。
語りたいのは小鳩くんと小佐内さんの関係性。
互恵関係で「どちらがいないといけない」わけじゃない。
その関係の始まりも互いの利益のためというドライなものだった。
それが3年間の四季を通して、最終的にどう変わったか。
最後の小佐内さんのセリフが全て。
あの一言を読んだ瞬間、叫んだ。
「春期」で互恵関係を結んで高校生活を共に始め、「夏期」で約束が反故されたが故に距離をとり、「秋期」でそれぞれ違う道を模索したのに、再び互恵関係を結んだ。
ずっと互恵関係のためだった二人の接点。
高校卒業でそれが終わるのに、小佐内さんが残した言葉がたまらない。
これ以上ない終わり方だった。
小鳩くんと小佐内さんがどんな終わり方をするんだろうとはずっと不思議だった
ハッピーエンドは似合わない気がするし、かといって二人の業の深さを鑑みてもバッドエンドはキツイなと思ってたし、だったらビターエンドかな?とか。
この15年間ずっと妄想してた
本当に絶妙な終わり方だった
すごかった。