幽霊たちの不在証明
朝永 理人
宝島社
作品紹介、あらすじ
羊毛高校文化祭の二日目の午後、二年二組のお化け屋敷で、首吊り幽霊に扮していたクラス委員・旭川明日葉の絞殺死体が発見された。彼女に想いを寄せていた「僕」こと閑寺尚は、打ちひしがれながらもその仇を討つべく、クラスメイトの甲森瑠璃子とともに調査に乗り出す。幽霊役の彼女はいつ本物の死体になったのか。分刻みの“時間当て”で犯人を絞り込む本格フーダニット・パズラーの傑作!2020年第18回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。
感想やレビュー
文句なしに面白かった! 青春ミステリ好きなのに読み逃してたことを後悔。 個性的だけど尖りすぎないキャラたちの掛け合いを楽しみつつ、分刻みの本格アリバイトリックを堪能できる贅沢な1冊。 「幽霊役の子がいつ本当の幽霊になったのか」とか、素敵すぎる謎。 学園ミステリで「読者への挑戦状」叩きつけられたの初体験。 でもそれだけ自信があるのも頷ける。 聞き取り調査とか、そこまで文量多くないのに上手に伏線があって、それを土台に本当に1分刻みで真実を明かしていく解決シーンは拍手を惜しみたくない。 青春ミステリとしての甘みと苦みがあるの素敵