くっくさんの感想、レビュー
10代、20代、30代と歳を重ねるなかで、希望に満ちた出来事が起きれば絶望に貶められる。それらを繰り返しながら誰のために何のためにという目的を見失ってしまっても、最後の最後で自分が何をやりたいか優先し、選べるように自分の足元を固めておくことの重大さを見せつけられた。結局は他人が何と言おうと自分が選んだ道を自分自身だけでも正解だったと言えるように、自分が正解にするしかない。櫂と暁海が紆余曲折という言葉では表しきれない道のりを経て、また巡り会えたこと、北原先生や、母親との関係性、計り知れない想像すらできない無数の人物や事物の絡まりの先に自分の望むものがあるようにするのは自分次第なのだろう。 『幾億光年』という曲がこの小説をもとにかいたのかと感じるほど、櫂と暁海の関係性をうたってるようにとれる。