チェリーネネ🍒さんの感想、レビュー
日常の何気ない「生きづらさ」を描いた、加藤シゲアキの短編集。 印象に残ったフレーズ 「人ってのはな、喜ぼうと思っても限界はあるが、悲しもうと思うと際限なく悲しむことができる。だったら最初から悲しまねぇことだ。何があってもわしは悲しんだりしない。ただの出来事として受け入れる」 驚いた。そんな考え方があるのかと思った。これは、同志を亡くし、周りから陰口を叩かれ続けた根津爺だからこそ言えた言葉だと思う。 私にこのような考え方ができるだろうか。ここまで割り切って考えるのは難しいと思う。でも、悲しみ続けるのではなく、根津爺いわく「限界がある」喜びを見つけることは大切だと思う。限界を突破する、というわけではないが、日常の小さな幸せを感じて、喜びの限界を大きくしていきたい。