カナコさんの感想、レビュー
カナコ
やっぱり異国情緒を感じられる作品が好きだなぁとしみじみ思った。宝塚を見た後に読んだので観劇の記憶も蘇ってさらに良かった。 夫があおった毒を「覚えておきましょう」と言った二十年後、自害するときにその毒を選ぶ展開、愛だなと思う。
並木 陽/トマトスープ
星海社
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女性アイドルのファンをしているので身につまされる部分が多い。もし私の応援しているグループに熱愛報道が出て悲願の武道館公演前にメンバーが脱退したら立ち直れないけど、自分の納得できる人生を送ってほしい気持ちもある。彼女たちがアイドルをしてくれていること、アイドルである彼女たちを応援できることにあらためて感謝したくなる作品。 アイドルが好きな人だけでなく、そうでない人でも、自分とは何か?夢とは何か?好きとは何かといった普遍的なテーマがあるので楽しめると思う。
朝井 リョウ
毎回新刊を楽しみに読んでいるシリーズ。今回もぐいぐい引き込まれてあっという間に読み終わった。猫猫と壬氏の仲がぎゅぎゅんと進んで終始ニヤニヤが止まらなかった。 でも、彼が現帝の長男だと明らかになったし、今後波乱の展開が待ち受けてそうだな〜。 皇籍臣下を望んでるみたいだけどそうは上手くいかなそう。早く次が読みたい!
日向夏/しのとうこ
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が念頭にあったので、バイアスはかかったが登場人物や出来事が頭の中で整理されて読みやすかった。 久しぶりに近代日本文学を読んだが(太宰治をそんなふうに大雑把にくくってよいかは置いておいて)、一文の長い独特の文調が心地よかった。 近習は果たして「信頼できる語り手」なのかずっと疑問だった。実朝が亡くなってから20年近く経っている上、語り手の近習は実朝をかなり慕っているようだから、彼の語る実朝像は美化されているのではないかと思う。 終盤の、語り手の近習と公暁との会話が生々しくて良かった。公暁の語る実朝像も、もちろん偏ったものであると思うけど、実朝には確かにそういう面もあるのではないかと感じた。 「鉄面皮」も面白かった。「人間失格」に通ずるところもあって、太宰治の繊細さが伝わってきた。太宰治は、人間の弱いところ、上手くできない心にすっと染み込む中毒性があるとあらためて感じた。
太宰 治