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ニックネームが設定されていませんさんの感想、レビュー

マティス、ドガ、セザンヌ、モネ の4人の印象派画家に関する話。 全て本人が主人公ではなく、各々の画家の近くにいる人から見た画家の姿を描いている。 助手、ライバル、美術商の娘、義理の娘から見た画家の姿。 セザンヌに関しては、美術商タンギー爺さん(ゴッホも描いている)の娘がセザンヌに宛てた手紙、と言う書き方をしている。つまりスポットライトをどこから充てているかで、画家の姿が違ってくる…みたいな、不思議な感覚。 マハさんの上手いところは、史実を充分踏まえた上で史実と史実の間の隙間を際どく突いてストーリーを展開するところだ。 「そうだったんだ❗」と、決して納得してはいけないのに、つい納得させられてしまう。 でもそれが、画家の本当の姿かもしれない、と思わせるところが上手いと思う。なまじっか知識がある人ほど引き込まれて、騙されてしまうと言う感じがする。知識が中途半端だからこそ引き込まれてしまうのかもしれない。 但し、画家の人柄はとても良く表現されていると思う。人柄を感じることが出来れば、また絵も深みが増す。 マハさんを読む前と、読んだ後では雲泥の差がある。 また展覧会に行ってみよう。

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