あさんの感想、レビュー
あ
「私」とたまに遭遇する少し変わった「むらさきのスカートの女」。彼女と「私」が交流していく話なのかと思いきや…。読み進んでいくうちに何かが可笑しいことに気づく傑作。とりあえず最後まで一気読みしてほしい。
今村夏子
朝日新聞出版
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「フランケンシュタイン」を例文に批評理論を丁寧に解説している。作品分析入門として最適な良書
広野由美子
前作に引き続きテンポのいい会話で楽しく読み進められる。可愛らしい絵柄に反して彼らに何が迫っていて、いつそれが降りかかるのかわからない緊張感がたまらない。これは余談だが最後に出てくる「よくわからないもの」の見た目が単眼好きからするととてもドストライクで可愛い。なんか強そうなのも良い。
ジョン・クラッセン/長谷川義史
女の子が偶然正体の分からない「くろいの」と出会ってしまうお話。てっきりそのまま神隠しに逢ってしまうのではないかとヒヤヒヤしながら読み進めたがちゃんと無事に戻ってこれて安心した。くろいのの暖かさに包まれて女の子が思い出した「お母さん」は文脈的におそらくもう生きてはいないのだろう。女の子はお父さんにこのちょっとした大冒険のことをどう話したのだろうか。彼女の明るい表情からは父親に自分が経験した楽しいことを伝えたい!!という興奮が読み取れて微笑ましい。ゆるやかで綺麗な絵柄と想像力を掻き立てられるストーリーの余韻が気持ちいい物語である。
田中清代