チェリーネネ🍒さんの感想、レビュー
小学二年生だった結珠と果遠は、それぞれ自分の家族に違和感を抱えて出会った。 しかし、その後離れ離れになってしまう。次の出会いは、高校生。しかし、その出会いですらもすぐに引き裂かれる。 2人の女性の、約20年間の成長と、それに伴う関係性の変化を優しく書き上げた作品。 印象に残ったフレーズ 「でも、百回に一回くらい、それを上回る楽しいことが起きるから」 結珠の仕事観が垣間見えるセリフだ。 体調を崩してもなお、もう一度あの教壇に立ちたいと、思えた結珠は立派だと思う。 この作品で特に印象的だったのは、2人の関係性の変化だ。小学二年生だったあの頃、ただただ無邪気だった2人は、お互いを尊敬し合い、親に不満を持っていればよかった。 高校生になると、思春期の難しさが関係性にも現れてくる。小学生の頃のように付き合いたい果遠と、少しませてきて、不器用になってしまった結珠の心境が見事だな、と思った。 そして26歳になった時。2人は何となく結婚していて、果遠には子供もいたが、得体の知れない不和を感じていた。個人的には、この時の関わり方が1番好きだ。 結珠と果遠を結んでいたあの感情は、友情なのだろうか、はたまた愛なのだろうか。 答えはわからないが、また2人がどこかで、運命の出会いをしていれば良いな、と思った。
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