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すだれさんの感想、レビュー

服部悦雄氏のインタビューが出発点のルポなので、トヨタの内部事情については相当のバイアスがかかっている。トヨタについてのルポとしてはぎりぎり及第点というところ。 この本の価値は偏に、服部悦雄という稀有な経歴の男を紹介したところにある。 留用は知っていたし、その拘束期間が思いの外長かったことも知っていたが、まさか文化大革命までそのまま留まっていた留用者家族がいたとは思わなかった。 中国国籍を持たない者の生きづらさは、残留孤児とは全く種類が違うのだということにはっとする。 個人的には、もう少し丁寧に服部氏の家族について掘り下げてほしかった。彼の幼少期に少なくない影響を与えたであろう兄がいつの間にか死んでいてびっくりした。 久々に『中国人として育った私』を読み返したくなった。

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