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リカバリー・カバヒコ

リカバリー・カバヒコ

青山美智子

光文社

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作品紹介、あらすじ

新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの公園にある古びたカバの遊具・カバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説が。アドヴァンス・ヒルの住人は、悩みをカバヒコに打ち明ける。成績不振の高校生、ママ友と馴染めない元アパレル店員、駅伝が嫌な小学生、ストレスから休職中の女性、母との関係がこじれたままの雑誌編集長。みんなの痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。

感想やレビュー

黄山美智子さんらしい心温まる話ばかりだった。 ただインパクトが薄れてしまって、あまり内容が残らなかった。 どんなストーリーかと言うより、小さな公園のカバの乗り物の伝説をきっかけに、前向きに歩いて行ける道筋を見出だした人たちのお話。 たぶん、生きていく上でぶつかる様々な問題で、希望が持てなくなっても きっかけさえあれば立ち直れるものだと思った。諦めるな!ってことでしょうか。

それぞれの人の悩み(急な成績不振・ママ友関係・家族関係など)をカバのアニマルライドである「カバヒコ」を通じて解決に導いていく物語。第5話「和彦の目」では、赤と青とエスキースに登場した「砂川凌」がまた出てきて、各話だけでなく他の作品にも繋がっているんだな〜と感じた😌

公園のカバの置物。触ると不調な治る。 短編。暖かくなる感じの話

青山さんの本は「お探しものは図書館まで」以来。明るく前向きな気持ちにしてくれる。 不安っていうのも立派な想像力だと、あたしは思うね 不安っていうのは、まだ起きていないこととか、他人に対して抱くものだろ。それを思い描けるっていうのは、想像力がある証拠。 先のことじゃなくて、誰かのことじゃなくて、今の自分の気持ちだけを見つめてごらんよ。飴でも舐めながらさ。 不安な気持ちには、立ち向かうより、そらすってことも大事なんだ。 何が好きで、何が苦手で、何が楽しくて、何がつらいのか、試しながら覚えていくんだ。誰かの目を気にして、カッコ悪い自分を見せないように、笑われないようにって縮こまっていたらきっと、それがどんなことなのかわからなくなってしまうだろう。だから、ぼくがぼくを決めていく。これから、ひとつずつ。

冬の寒さも忘れる程、心底温まる連作短編集。 人間誰しも躓くもの。ならその都度リカバリーすればいい。そんな優しくも力強いメッセージが胸に響いてきた。 人それぞれカバヒコのような心のセーフティーネット的存在に助けられて生きているんだよなぁ。

それぞれの人の悩み(急な成績不振・ママ友関係・家族関係など)を公園のアニマルライド「カバヒコ」を通じて解決していく優しくふんわりとした物語。第5話 和彦の目の話には、「赤と青とエスキース」で出てきた、砂川凌が登場しており、各話だけでなく他の作品とも繋がっているんだな〜といろんな作品を読んでて良かったと感じた😌

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