うしおさんの感想、レビュー
うしお
人形がめっちゃ関わってくるかと思ったらそれがブラフでぜんぜん違うところでのトリック。 三重人格で全部自作自演って、なかなか気づくの難しいよね。シャッターアイランドみたいな
綾辻 行人
講談社
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コンビニさんの話 ハッピーエンドでよかった。 マニュアル通りにコンビニ店員として働く古倉さん、 「なんとなくコンビニの音が聴きたくなり、ミホの家の帰り、夕方の店に顔を出した。」という古倉さんの本能が見られたせたシーンはホッとした。 収まるべきところに収まった安堵。コンビニ人間として生き生きと表現された古倉さんの姿が、清々しいラストシーンに繋がる。 コンビニは生きている。変わるけど、「変わらないね」と言われる。生きているコンビニが、なにを求めているのか、わかる。なにが一番大事なのかわかる。求められている最適解がわかる。コンビニさんのために生きている人間、コンビニを完全なものにするために歯車になる。結果は数字で表れる。売り上げ、発注、目標を達成。白羽や妹の影響で一度は変化を求めていた古倉さんが、最後は変わらずコンビニに戻っていく。社会の歯車の一員になると言うことは、古倉さんのことを言うのかもしれない。 法律というあいまいなルールで生きている現代人に対し、いわゆる「社会のルール」がマニュアル化されていないことで困惑する人もいる。なにを指針に人は生きるのか?なにが自分にとって(人類にとって)合理的か?なにが「普通」なのか?古倉さんの目線を、世界の捉え方を通じて、最近よく耳にする「多様性」を考えることができる。
村田 沙耶香
カメルーンの青い魚「生きていけるかどうかは、こいつら次第だ」りゅうちゃん 夜空に泳ぐチョコレートグラミー「もう一度あたしを褒めて。よくやったって」近松晴子 波間に浮かぶイエロー「俺はもう死ぬけど、環さんの中で生きていたい」重史 溺れるスイミー「何にも溜まってないだろ」「淵みたいね」宇崎くんと唯子 海になる「欲しがっても手に入れられないものなのよ。どんなにボロボロでみっともなくても大切にしましょうよ」清音の妻
町田 そのこ
ひとりぼっちは寂しい 消えないデジタルタトゥー、世間の目、私たちがどういう関係なのか、示す言葉は無い。「判定は、どうか、わたしたち以外の人がしてほしい。わたしたちは、もうそこにはいないので」 警察の冷たい取り調べのシーン、心臓を柔らかく包んで少しずつ血を塞き止められてるような圧迫感だった。はやく解放してくれ、はやく楽にしてくれ、誰かこの真実を知ってくれないか 「そんなものでは、救われてこなかった」 理解なんてできないとは思いながら、誰かを理解しようとして、でも、それが相手との溝を作ることになるかもしれない。そんなことは解っていながら、干渉する。 触れなくても良いものに、触れる。なぜだろう 真実は、当事者にしか解らない。それを公にすることに、なんの意味があるのだろう。 マイノリティは理解されない。理解されなくても良いと思っている人がいたら?理解しなくていいこともあるということを理解したい。
凪良 ゆう