面白かったなぁ。
相変わらず気の利いた会話も格別強い印象のキャラクターもいないのですが読み進めてしまう。
しかも、何が気になるのかも分からず読み進めてしまう。盗まれた金の小箱はすぐに見つかるし、不安定なニックにも特に興味はもてないし、序盤に殺されたチンピラは全然存在感がない。おまけに話は複雑で入り組んでいて、わかりづらい。
ただ、一気にラストまで持っていく展開力が不思議にストーリーにはある。
読み進めていくうちに、トラットウェル家とチャーマーズ家の過去の秘密が少しずつ見えてきて…。
リュウ・アーチャーと一緒に寄り添って過去を辿り、人間を見つめていく。
裏にある人の哀しさに触れることがとても魅力的な作品です。