許されようとは思いません
芦沢 央
新潮社
作品紹介、あらすじ
「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。上司にも褒められ、誇らしい気持ちに。だが売上伝票を見返して全身が強張る。本来の注文の11倍もの誤受注をしていたー。躍進中の子役とその祖母、凄惨な運命を作品に刻む画家、姉の逮捕に混乱する主婦、祖母の納骨のため寒村を訪れた青年。人の心に潜む闇を巧緻なミステリーに昇華させた5編。
感想やレビュー
日常の中に潜む人間の闇を描いた5編から成る短編小説です。 中には自分にも起こり得そうな内容もあったため、ゾッとしながら読み進めました。(夏フェア対象本。背筋が凍るという意味で納得でした。笑) 特にお気に入りの作品は以下の2編です。 『目撃者はいなかった』 『許されようとは思いません』
表題作を含め5作の短篇ミステリーが収録されています。どの作品も「結末はどうなるのかなぁ」とドキドキしながら読み進めましたヾ(゚▽゚*) お気に入りは、 *目撃者はいなかった *ありがとう、ばあば です!! 『火のないところに煙は(新潮文庫)』も機会があったら読んでみたいです♪ #新潮文庫の100冊(2024)#イヤミスかも
みんな「気づいた頃には事が大きくなっていた」というもので、客観視している読者は安全地帯だが、いつ似たような環境に陥るかは分からない上に、陥ったとしてもすぐに「気づく」ことが出来て、出来たとしても対処に移せるかは分からない、そんな際どいような話を読んだ感覚でした。 ミステリーとしても上質であり、物語としても自らの人生を省みないとヒヤヒヤするものでした。
読了。 それぞれの話には、違った結末 があるけど、どれも共通して言えるのは 自分に起こりうる可能性があるということ 誰の中にも闇はある。みんなそれに気付いて ないだけ
★★★★ 人間ドラマ短編集 いろんな立場の人の心情が細やかに書いてあって、没入した。 全部の作品が繋がってるのかと思ったからその分残念だけど、一編一編が重く深いものだから面白かったかな。 その中にも死んだ人実はこうだったんじゃないか、なんて考える人もいてさサスペンスにも近いような作品だった