すだれさんの感想、レビュー
すだれ
筋書きは悪くないのだが、文章のテンポが悪く、登場人物ものっぺりした感じがした。 会話のみでテンポを早めたり、無駄な描写を削ったりすれば良作になっただろうに、と惜しまれる。 『高瀬庄左衛門御留書』はそのあたりが巧かったのだが。
砂原 浩太朗
講談社
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『夜明けのはざま』のプロトタイプのような物語。連作小説。 本当に上手な作家だと、改めて惚れ惚れする。
町田 そのこ
幕末の時代の変わり目を生きる市井の人々が愛おしい、シリーズ第十弾。 桜田門外の変、水戸斉昭の死、ヒュースケン暗殺と、幕藩体制の揺らぎを感じさせる事件が起こるなか、料理人としておやすはついに一本立ちする。紅屋の台所で働くのはこれまで通りだが、奉公人から雇われ人になると待遇が違うのだな、と興味深かった。 女の料理人が珍しかった時代、おやすを守り育てようとする周囲の人々の温かさにほっこりする。
柴田 よしき
人生は美味しいものと本でできている。 珊瑚さんと美希喜ちゃんのバディぶりも好ましいシリーズ第二弾。
原田 ひ香
ボリュームたっぷりだが、最後までだれない圧巻の小説。 横浜屈指の実業家の妾の子・かな子と、不本意ながら彼女を引き取った本妻筋の家族、またその家族に隠された秘密を軸に、物語は展開していく。 かな子を筆頭に頭の切れる女性が多数登場し、読んでいてぞくぞくした。
永嶋 恵美