檜垣澤家の炎上
永嶋 恵美
新潮社
作品紹介、あらすじ
横濱で知らぬ者なき富豪一族、桧垣澤家。当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。商売の舵取りをする大奥様。互いに美を競い合う三姉妹。桧垣澤は女系が治めていた。そしてある夜、婿養子が不審な死を遂げる。政略結婚、軍との交渉、昏い秘密。陰謀渦巻く館でその才を開花させたかな子が辿り着いた真実とはー。小説の醍醐味、その全てが注ぎこまれた、傑作長篇ミステリ。
感想やレビュー
壮大な物語ではある
ボリュームたっぷりだが、最後までだれない圧巻の小説。 横浜屈指の実業家の妾の子・かな子と、不本意ながら彼女を引き取った本妻筋の家族、またその家族に隠された秘密を軸に、物語は展開していく。 かな子を筆頭に頭の切れる女性が多数登場し、読んでいてぞくぞくした。