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街とその不確かな壁

街とその不確かな壁

村上 春樹

新潮社

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作品紹介、あらすじ

その街に行かなくてはならない。なにがあろうとー。高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、そして、きみの面影。村上春樹が、長く封印してきた“物語”の扉が、いま開かれる。

感想やレビュー

春樹ワールド。しんとした静かさ。冷たさ満載。不思議で孤独な物語。もう一回読もう。ブルーベリーマフィンが食べたくなる。

1

よくわからない。壁の中に本体。影はこの世界。夢読み。 図書館

ハードボイルドワンダーランドと似ていたから何が起きるのかなと思いながら読んでいたけれど、思ったより結末があって村上春樹っぽくないと感じたとこもあった。人間誰も影に過ぎないというのはもしかしたら自分のそうじゃないとこはどこか自分が作ったところにいるのかもしれないとも思えた。イエローサブマリンの少年の家の人たちは少年を大事に思っていたということを伝えたかったのかな。でも、なんかそれってあんまりここでは意味ないような。2番目の兄が言っていたセリフを語らせるためだけに出たのだろうか。

2つの世界をパラレルで展開させ、最終的に1つに終着させるというおなじみの展開が見られた。 前作や前々作の長編と少し違うと思ったのは、話にやや抽象度の高さが戻ってきているということ。全作品と押して大枠は読者に解釈の余地を残す語り口は変わってないが、ノルウェイの森以降、具体の場面、展開自体はわたしが日々接する日常の事柄に近くなっておりわかりやすいと感じていた。 それと比較をすると、ノルウェイの森以前の抽象度に少し戻りつつも、わかりづらすぎない以降の良さも感じられバランスよく楽しめた。

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