ぺろりさんの感想、レビュー
樺太のアイヌや、植民地にされたポーランドで生まれた、故郷が二つある二人のW主人公の話。 史実に基づいたフィクションなので、1900年前後の歴史に詳しい人はより楽しめると思う。戦争の勝ち負けや植民地支配など、教科書で文字面だけ知っていることでも、そこに住んでいる人々の暮らしやアイデンティティについては考えてこなかったから、その類の心情描写があると心が痛んだ。 読み物としては、耳慣れない現地の地名などが出てくるので時間はかかったが、場面や時間軸が変わっても登場人物同士の繋がりが感じられて熱かった。