岩波文庫的 月の満ち欠け
佐藤 正午
岩波書店
作品紹介、あらすじ
あたしは、月のように死んで、生まれ変わるーこの七歳の娘が、いまは亡き我が子?いまは亡き妻?いまは亡き恋人?そうでないなら、はたしてこの子は何者なのか?三人の男と一人の女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく、この数奇なる愛の軌跡。第157回直木賞受賞作。
感想やレビュー
輪廻転生。前世の記憶があるということがこんなに不幸なことなのか、となんとも哀しい小説でした。きれいな、女性が好みそうなストーリー。荒唐稽になりそうでならない純愛ミステリ。生まれ変わっても愛する人を追いつづける、ドラマチックなお話ですが、著者のセンスのよさを感じる良作でもありました。 直木賞受賞も頷けるな。
構成がすごい 時間軸で進む中で過去の複数人の登場人物の視点から描かれている 瑠璃も玻璃も照らせば光るの瑠璃さん 7歳で過去の自分思い出す ①正木瑠璃 正木竜一郎の嫁、大学生の三角哲彦(八戸出身)と恋に落ちる 高田馬場 地下鉄に轢かれて亡くなる ②小山内瑠璃 小山内堅(八戸出身)と梢(三角の姉の友達)の娘 千葉県稲毛 7歳で瑠璃が家出し高田馬場で補導 堅と高校卒業まで突飛なことをしないと約束 建設作業で学校に来ていた正木竜一郎に会う 仙台 高校の卒業式後、母の車で東京に向かう途中、事故で亡くなる ③小沼希美 船橋 正木の再就職先の建設会社社長の娘 母は予告夢をみる、小山内瑠璃の担任だった 自分の正体に気付いた正木に三角の所在を調べさせ、名古屋に向かう途中、事故で亡くなる 正木は児童誘拐の罪で逮捕、その後亡くなる ④緑坂るり 小山内瑠璃の高校時代の親友で女優の緑坂ゆいの娘
直木賞受賞作。 最後のページの一言に胸詰まり、言葉にし難い余韻を噛み締めたまま読了。 ファンタジックかつロマンチックな構成で、スルスルと物語の魅力に引き込まれた。私的には大変好み◎ 与謝野晶子や吉井勇の短歌に触れられただけでも世界が広がった感じがする。
時系列を理解するのが得意じゃないから、難しかった。でも、内容は好き。 自分の日常の中では決してありえないと思っていることも、いつかは目の前に現れるんじゃないかなって思った。
特にありません
映画ん見ていないけど、誰がどの役やったのか気になるなぁ