もうあかんわ日記
岸田 奈美
ライツ社
作品紹介、あらすじ
父は他界、弟はダウン症、母は車いすユーザー、からのコロナ禍に生死をさまよう大手術間に祖父の葬式が挟まってついには、祖母がタイムスリップー残された長女(作家)にすべてのタスクは託された。次々におそいかかる「もうあかんわ」なラインナップ。なのにどうしてこんなに面白い文章が出来上がってしまうのか、読んでる側はいったいなんでこんなに救われてしまうのか!?3月10日から4月15日までの岸田奈美のnoteに書かれた泣けて笑える祈りの日々。「人生はひとりで抱え込めば悲劇だが、人に語って笑わせれば喜劇だ」。放った言葉を本人の手で見事に体現した読後、拍手喝釆のエッセイです。
感想やレビュー
いろんな大変なこと乗り切ってはると思ったし、私が岸田さんの立場なら乗り切れるか…とか考えると、ホントならこんな気持ちにならんはずやのに、とてもとても笑けました。おばあちゃんが犬に反撃くらうとか最高です。久世福のふりかけと無印のお茶、いつか誰かのお見舞に持って行こ!
参考ワード 自分の心とかけ離れている日常 葬式はたぶん、悲しみや愛情をできるかぎり見える化することで、あっちこっちでお別れという線を引き、残された人達が生きていくための儀式なんだろう。 相手の気持ちなんて、どんだけ注意深く見ても1割くらいしか理解できないと思う。 だからわたしたちは、気持ちを理解しようとする謙虚さは必要だけど、気持ちを理解出来るという高慢さは捨てなければ。 気持ちをぜんぶわかることは無理なんだから、基本的には、他人に向けたすべての行動は押し付けでしかない。どんなに善意でも、親切でも。アドバイスは時として痛い傷になる。相手が求めないかぎり、迂闊なアドバイスはしない方がいい。 いいか悪いかをジャッジするのは、いつだって、優れた人ではない。多数派の人達だ。 いつも心にクールポコ 迷惑とは、あるいは弱さとは、周りにいる人の本気や強さを引き出す、大切なもの。だからこそ、お互い迷惑をかけあって、それでも「ありがとう」と言い合える関係をつくれたなら、これ以上の幸せはありません。 「聞いてアロエリーナ、ちょっと言いにくいんだけど」
面白かった。 他人から見ればとても大変な境遇なのに、幸せそうな家族やなぁと思った。 日常にユーモアを持つことが大事やな。 私も頑張ろう!って思わせてくれる本やった。
著者の37日分の日記で、笑いと勇気をもらえた一冊。 決して笑えない日常を、ユーモア交え面白可笑しく綴っている。 入院生活をウキウキさせるコツは納得だったし、 『迷惑とか弱さは、周りにいる人の本気や強さを引き出す、大切なもの』との言葉にはズシンときた。 最悪なピンチの時こそ、笑いやユーモアが大事なんやなぁと思わされる。 もうあかんわと書いてはるけど、全然あかんことない、むしろ笑えてる強さに感動する。最後は著者にエールを送りたくなる。