常設展示室
原田 マハ
新潮社
作品紹介、あらすじ
いつか終わる恋をしていた私。不意の病で人生の選択を迫られた娘。忘れられないあの人の記憶を胸に秘めてきた彼女。運命に悩みながら美術館を訪れた人々の未来を、一枚の絵が切り開いてくれたーー足を運べばいつでも会える常設展は、今日もあなたを待っている。ピカソ、フェルメール、ラファエロ、ゴッホ、マティス、東山魁夷……実在する6枚の絵画が物語を豊かに彩る、極上のアート短編集。
感想やレビュー
バリキャリの女性が出てきたと思ったら、男に翻弄される弱い女性も出てくる。主人公のキャラクターは全然違うのに、どの人物もその心情にのめり込める。 私自身、年齢を重ねるにつれて、美術館の作品は人生のどこかで触れたものである率が高くなってきて、美術館の楽しみ方は変わってきた気がする。それでもいまだに、物凄く惹かれる作品に出会えたときの言葉に表せない感情に出会うことがある。これまで一切心が動かされなかったのに、ある時を境に急に好きになった作品もある。美術館に通う他の人がどう感じているのかについてこれまで考えたことなかったけど、この本を通して何人かの人の美術館との関わりに触れられて楽しかった。 そして、最後の上白石萌音さんの解説が素敵すぎた。ますますファン。
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