月と日の后(上)
冲方 丁
PHP研究所
作品紹介、あらすじ
わずか十二歳で入内した、藤原道長の娘・彰子。父に言われるがままに宮中に入った彼女を、夫である一条天皇は優しく受け入れるが、彼が真に愛した女性・定子の存在は、つねに彰子に付きまとう。しかし、定子が遺した幼子を抱きしめた日から、彰子の人生は動き始める。父や夫に照らされる“月”でしかなかった彰子が、やがて「国母」として自ら光を放ち出すまでー平安王朝をドラマチックに描く著者渾身の傑作長編。
感想やレビュー
冲方丁「月と日の后」 冒頭から「この世をば我が世とぞ思う望月の」と藤原道長のあの有名な歌から始まる。もうつかみはオッケーだわ。そしてこの有頂天の曲を書いた道長の歌を好意的に受け止める3人の娘。ああ、なんかええなあ。 と思いつつ読み進めるが、やはり歴史小説を読み慣れてないのでなかなかなかに言葉が頭に入ってこない。みんなの名前も難しいしこれはなんと言う行事たなんだと説明が多いしと色々あるんだが、それでもなぜか読んでしまう面白さ。 その面白さは後半の紫式部が現れてから俄然上がる。ああ、これは面白い。紫式部のキャラがいいね。能ある鷹は爪隠すみたいな。うん、この2人の絆が深まったところで上巻はおしまい。 さあ下巻。どうなるのやら。
もてはやされていない紫式部が目新しい。