平安ガールフレンズ
酒井 順子
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
人が「眉毛を抜く時の顔」の情けなさを見逃さなかった清少納言は、和歌の家に生まれながら「私は歌なんか詠まない」と宣言したロックな女だった。感情をねっとり内に秘める紫式部、モテと才能と不幸とに恵まれた和泉式部、夫への嫉妬に翻弄される藤原道綱母、中二病の菅原孝標女。1000年以上前の女性達の性格をその作品から読み解くことによって、彼女達との間に時空を超えた友情を結ぶことに挑む、平安エッセイ。
感想やレビュー
文学が好きでも敬遠しがちな古典。 難しく今じゃ使わない言葉に恋愛ばかりな話。 そういう印象が、この本を読んでから見方がグルっと変わり、古典文学や平安時代を生きた人達をひとしお読みたいし知りたいなと思えました。 著者の推測と、彼女らの文章や歌から滲み出る人となり、それらを照らし合わせ読んでいくと分かりやすく時を感じない程彼女らを身近に感じられます。 その頃の時代情勢が世知辛く想像だけでも胸が苦しくなったり、そんな中でも物語を通じて自分を見出してきた彼女らが愛おしかったりと、「いとをかし」内容の本でした。