奇譚蒐集録
清水 朔
新潮社
作品紹介、あらすじ
大正三年、帝大講師の南辺田廣章と書生・山内真汐は、信州・諏訪大社の麓に降り立った。伯爵家に代々伝わる「鉄環のお役」を果たすために。神域の山で禁足地を犯した二人は、山奥の秘村に“来訪神”と遇され、囚われる。臥龍洞で風の神を祀るその村では、十二年に一度の“奇祭”が今まさに執り行われるところだったー。鉄環の謎と因習の裏に秘められた真実を暴く民俗学ミステリ。
感想やレビュー
清水朔「奇譚蒐集録」読了。 廣章(こうしょう)と真汐(ましお)コンビの今回の旅は信州へ。諏訪大社の近くで12年に一度開かれるという奇祭に巻き込まれる。 やはり清水朔さんの文体に慣れるのに少し時間がかかる。わかりづらい文章というわけではないのに読むペースが落ちる。内容が好きだからシリーズはずっと買ってるんだけどね。 シリーズを追うごとに真汐が成長していくのがわかって楽しい。前作の哀しい事件をもとに今度こそはと誓う真汐。ああ...。 その土地、その風土で育って来た土着の祭りに対し、外から来た人間がとやかく言うことはできない。でも、その祭りの意味・意義が本当に純粋なものであればだが。