カケラ
湊 かなえ
集英社
作品紹介、あらすじ
美容外科医の橘久乃は幼馴染みの志保から「痩せたい」という相談を受ける。カウンセリング中に出てきたのは、太っていた同級生・横網八重子の思い出と、その娘の有羽が自殺したという情報だった。少女の死をめぐり、食い違う人びとの証言と、見え隠れする自己正当化の声。有羽を追いつめたものは果たしていったいー。周囲の目と自意識によって作られる評価の恐ろしさを描くミステリー長編。
感想やレビュー
女の人は特に、「太っている=不幸」と思いがちですがその固定観念に疑問を投げかける物語です。 義理ですが母にたっぷり愛情とドーナツを与えられて自己肯定感も高く、幸せそうにすごすユウが、よく事情を知りもしない外野に「太っていてかわいそう」という気持ちをぶつけられ、ユウもその母も不幸な道を辿ってしまうという…。 自殺の真相といい、母の気持ちを考えると辛いなぁ…と。 わたしも女性なので外見で判断されて損だなぁ…と思うこともたくさんありますが、素敵だなぁと思う方ってやっぱりいい意味で自信がある人が多いなぁと感じます。 そう言う意味でとっても健やかに育っていたユウちゃんを壊していった周りの大人が許せない…と思いました…。
8/10 すごく読みづらい感覚、最後に落ち着くものの途中あまり面白いとは感じられなかった。
女性向けの小説かな?男の俺は面白くない。
吉良有羽の自死の真相を、美容外科医橘久乃が吉良有羽にまつわる人物に話を聞いて明らかにしていく構成。それぞれの思惑がお互いに悪く影響しあっており、同じ事象でも視点が違えば全く違う話になるいわば現代のネットデマに流されやすい人々を表しているようだった。最後の横網さんとの会話文までが順々に関係しており、最後に全てのことの顛末が露わになる。また母と娘の関係が大きなキーとなっている、湊かなえらしい作品。
モヤモヤとスッキリせぬ読後感だが、これぞイヤミス?ルッキズムがテーマなだけに所々嫌悪感。 語る人各々の固定観念や価値観により一つの事実の捉え方が全く異なってしまうちぐはぐ感が面白かったが、一歩間違えると人を破滅に追い込む危険性を孕んでいるのが恐ろしい。
男にはいまいちわからない世界
人は容姿だけじゃない