鍵のない夢を見る
辻村 深月
文藝春秋
作品紹介、あらすじ
望むことは、罪ですか?彼氏が欲しい、結婚したい、ママになりたい、普通に幸せになりたい。そんな願いが転落を呼び込む。ささやかな夢を叶える鍵を求めて5人の女は岐路に立たされる。待望の最新短篇集。
感想やレビュー
思い通りにならない人生を生きる5人の女性の5つの物語。 直前に読んだ『かがみの孤城』の"鍵"探しの余韻があったせいか、"鍵"というワードに目がいき図書館で手に取った。 誰しも自分の人生に期待をし、夢を描くものだ。 しかし人生とは、自分のものなのになかなか思い通りにはいかない。 ある時期にくると、描いた夢と折り合いをつけなければならないときがある。 それができると、うんと生きやすくなる。 あまりにも生きずらい人生をおくっていると 日常生活に入り込んできた犯罪ですら、人生の彩りのように感じてしまう。 夢や期待をもつのは大事。 でも、それに囚われすぎてしまうと、自分をがんじがらめにして、楽しくなくなってしまう。 手の届かない幸せを夢みるより、手に入る幸せをたくさん掴んだ方がきっと楽しい。
2
傲慢な人がいっぱいいるもんだ