声の在りか
寺地 はるな
KADOKAWA
作品紹介、あらすじ
「こんなところにいたくない」パート帰りの希和が見つけたのは、小学四年生の息子・晴基とそっくりの筆跡で書かれた切実なメッセージだった。本人に真意を問いただすことも夫に相談することもできない希和は、晴基が勝手に出入りする民間学童『アフタースクール鐘』で働きはじめる。マイペースな経営者・要や子どもたちに振り回されながらも、希和はいつの間にか自分の考えを持たない人間になってしまっていたことに気付く。誰かからの受け売りではなく、自分の言葉を取り戻すために奮闘する女性を描いた、大人の成長小説!
感想やレビュー
主人公の誠実さがまぶしい。こんな人でありたい。
この本も、好きな黄色を基調とした装丁だったので手に取った。 小4の息子をもつ母、希和の物語。 彼女はとても繊細で真面目だ。 なんだかとても共感できる。 集団の中で自分の意見を主張するのには勇気がいる。 集団に混じりつつも傍観者になるのか。 集団から距離をとって達観者になるのか。 この物語でも、鈍感力の達人要の存在がひかる。 自分を幸せにしないものからは離れる。 自分を幸せにしないものは手放す。 自分を幸せにしない思い出は忘れる。 それを基本に生きればいい。